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スパイラル・スキップ・ビート!

「スパイラル・スキップ・ビート!!」№1(尚)

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「うっそぉー!信じられない!」

 悲鳴のような叫び声

「見てよ、これ!3億円よ!?3億円!!」

「はぁぁ~。あるとこには あるんですねぇ…。」

 …隣の控え室…か。

 最初の声は モデル出身の若手女優サラ・アリソン
 (はっきりいって、顔とスタイルだけがとりえの大根女優…だ)

 遠慮がちな声は 俺も世話になったことのある ヘアメイクアーチスト

「ネックレスひとつに3億!信じられない!!」

 大根女優の声と同時に ばっさという音が響く。

 どうやら 雑誌か何かを 放り投げたようだ。

「いまさらですよ。」

 とりなすような 穏やかな声が響く。

「レン・ツルガが 愛妻のためなら お金に糸目をつけないのは有名ですもの。」

 …!

「それにしたって…!」

 大根女が まだなにやら ぶつぶつ言っていたが

 そいつの声も
 腕利きヘアメイク師の返事も
 耳鳴りの中に ねじれて消えていった。

 相変わらず…か

 ヤツは
 あいも変わらず キョーコを溺愛して べたべたに甘やかしている…か。

 ― こんこんこん ―

「…はい?」

「不破さん、お待たせしました。準備できたそうです。スタンバイお願いします。」

「サンキュ。今、行く。」

 マネージャー深海(ふかみ)さんの声に 即、返事をかえして立ち上がった。

 ヤツとキョーコの結婚式から 逃げるようにやってきたアメリカ

 16年間、がむしゃらにやってきた甲斐があって それなりの地位は築いている。

 今日も これから TVで新曲を披露する予定だ。


「ありがとうございました!Mr.不破」

「今回の曲は 一段と切ないバラードですね。胸にしみます。」

 新曲『Endless Love』を披露した後、司会者の男女が話しかけてきた。

「ありがとうございます。」

 打ち合わせどおりの軽い会話を交わし、控え室に戻ってきた。

「お疲れ様です。不破さん。これで、今日の仕事は終わりです。お送りします。」

「ああ、ありがとう」

 アメリカでの拠点
 ニューヨーク5番街の一角にある高級マンション

 最上階の 1フロアを 事務所が借り切ってくれている。

料理や掃除を担当する使用人も、プロダクションが手配してくれていて
 いつも 快適に過ごせる。

「おつかれさま。後は 自分でやる。休んでくれ。」

「は、はい。」「おやすみなさいませ」

 ボディガードと使用人たちを 部屋に戻す。
 彼らの住居として 1階下の1フロアを 借り切っている。

 高級マンションだから 1室5部屋ある。

 だから
 事務所は 2室だけ借りて 相部屋にさせるつもりだったようだ。

 でも、逆の立場なら オレなら 絶対いやだ。

 渋る事務所 説得するのも面倒なので
 オレのポケットマネーで1フロア借り切って 1人1室 割り当てている。

 ざっと シャワーを浴びてから 用意してくれていた軽食を平らげる。

 寝室に入って 即 リモコンのスィッチを入れる。
 壁面の大型ビジョンに 画面が浮かび いきなり甲高い声が響いた。

「またまた やってのけました!レン・ツルガ!!
 ウルトラ・スペシャル・サプライズプレゼント!」

 …!

「愛妻、世界の妖精、キョーコへの盲愛ぶりは 結婚前から有名で…」

 ブチッ!

 どさっと ベッドに倒れこんだ。

 くそ!

 逃れても 逃れても
 向こうから 飛び込んできやがる!

 
 ため息をついて 毛布にもぐりこむ。

 仰向けになったオレの目に 星空が見える。

 寝ながら 星が観たいから、と
 無理を言って つくってもらった 強化ガラスいり天窓だ。

 キョーコが 星が好きで
 夜中 天体観測に出かけたがるキョーコを おふくろが心配して
 嫌がるオレを 強引に付き添わせた。

 最初は、しぶしぶだったが
 キョーコの語る 星の物語がすごく面白くて
 そのときのキョーコの目が きらきらときれいで

 いつのまにか オレも 星が好きになっていた。

 すぃっと ひとつ 星が流れる。

 珍しい

 流れ星…か。

 …と、思う間に またひとつ

 …?

 ああ、そうか

 きょうは ペルセウス流星群が見える日だ。

「ほら!ショーちゃん!流れ星!」

「あれが消える前に 3回願い事 言えたら 絶対かなうんだって」

「いえた!3回いえたよ!!」

「キョーコね!『ショーちゃんが スターになれますように』って唱えたの!
 だから、大丈夫!ショーちゃんの夢 絶対、かなうからね!」


 確かに かなった。

 …成功はした
 スーパースターとしての 名声は手にした

 夢はかなった。

 だが

 オレは 少しも幸せじゃない…。

 またひとつ 星が流れる。

 もどりたい あのころに

 まだ 間に合う あのころに 

 もどりたい

 もどりたい もどりたい

 眠りに引き込まれてかすんでいく意識の中
 
 すぅっと ひとつ 星が流れて消えた。
 
 
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