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№17(side:久遠)

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「すばらしい リサイタルだった!久々に 充実した時間だったよ。」 

 大統領は、上機嫌だ。
 彼は、世界中あちこちにいるあまたの“京子”ファンの中でも有名人…。

 5年ぶりに公の前に出てきた彼女の晴れ姿 たっぷり拝めてご満悦だ。

「ええ!今夜は本当に最高だったわ!思いがけなく クオンとご一緒できたし!」

「こちらこそ。わがままな申し出に 快くお答え頂いて感謝しております。」

「これで、不破ご夫妻が ディナーの誘いに応じて頂けてたら 言うことなしだったんだが…」

「…断ってきたのですか…?なんて 無礼な…。」

 大統領夫妻から プライベートなお誘いだぞ!?
 断るなんて、どうかしてる!

「いや、理由を聞けば 仕方ない。佐久間ご夫妻と先約があるんだそうだ。」

「不破さんの眼に 明かりをくださった大恩人ですものね!」

「…そう…ですね。」

 それは…無理もない…。

 思わず唇をかみしめる。

 17年前
 CM撮りの最中に発生した事故…。

 ヤツは光を失い
 
 俺は 彼女を失った…。

 その事故以来…
 もう 最上さんは 戻ってこなかった…。俺の元には…。

 彼女は、ヤツのそばから 離れなかった…二度と。

 自分をかばったせいで 失明したヤツのそばから…!

こぼれ落ちる花

「そんなこと!おまえに言われなくてもわかってる!!」

 17年前、責める俺にヤツが叫んだ。

「オレの…プロポーズ…承知したの…、同情…か…責任を感じて…かもしれない…って!」

 苦渋に満ちた声が 耳によみがえる。

「…だけど…オレは もう キョーコなしじゃ 生きていけない…!」

 握りしめたこぶしが震えていた。

「オレを選んだこと 絶対 後悔なんかさせない!」

 光を失った眼で…それでもヤツは言い切った。

「とことん尽くして…幸せにしてみせる!必ず!」

 言葉通り
 事故後も 眼のハンデを抱えながらも、ヤツはヒット曲を飛ばし続け…
 世界にも通用するトップアーチストとして、不動の地位を築いてみせた。 

 ヤツが18になるのを待って、即挙げられた結婚式。

 文字通り
 命がけで愛する女をかばって失明した男と献身的に尽くす女
 二人の結婚は 世界中から 温かく祝福された。
 
 佐久間さんという…ファンの女性から角膜の提供受けて、
 ヤツの眼が治ったのは 二人の…結婚後…半年めのことだった。

 彼らの結婚式直前。
 俺は“敦賀蓮”を葬り…日本を捨てた。

 とうてい…二人の結婚生活など 見ていられるわけがない!

「ねぇ!クオンったら!」

 …!

「失礼!少し考え事を」

 あわてて夫人にほほえみかける。

「君さえ良かったら ディナーご一緒にどうかな?」

 鷹揚に笑って、大統領が 誘いをかけてきた。

「光栄です、喜んで。」

「うれしいわ!私、両手に花ね!」

 うきうきと上機嫌な夫人に愛想良くほほえむ。

 あのとき以来…
 心の中には ぽっかりと穴が開いて 冷たい風が吹いている。

 あの事故さえ
 あれさえなかったなら…

 今頃…!

 彼女の傍らにいて 彼女に尽くしてたのは 俺のほうだったのに…!
 
 絶対に…俺だったはずなのに!!

 あの事故さえ!
 あれさえなかったなら…!!


イラスト「こぼれ落ちる花」(Heaven’s Garden様より)
画像

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