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スパイラル・スキップ・ビート!

「スパイラル・スキップ・ビート!!」№21(蓮)

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「紹介しよう。今回の映画のテーマ曲をお願いすることになった不破尚君だ。」

 ざわざわざわ

「え?不破尚…って」

「ロックミュージシャンだろ?この映画とイメージ…」

 あちこちで ひそひそ声が聞こえる。
  
 不破君には申し訳ないが…無理もない!

 この『螺旋の森』とロックでは イメージがまったく違う!

「実は、彼が デモテープつきで 売り込んできてね。」

 監督は 意にも介さず 話を続ける。

「聴かされた 切ないバラードが とても…。いや 実際に聴いてもらったほうが 早い。」

 新開監督が 不破君に合図する。

 うなずいた彼は さっとギターを取りだした。

 ぴぃーん

 彼が曲を奏で始めたとたん
 あたりが 瞬時に 静まり返った。

 切なく 甘く 優しく 哀しい
 静かなさざ波が 心に じんっと 染み渡り 広がっていく…。

 曲が終わっても 誰も 口をきけなかった。

「俺が 即、採用を決めたわけ わかってくれたかな?」

 …確かに!

 全員が黙ってうなずいた。

「…で、せっかくなので 効果音 挿入歌 すべて彼にお願いすることにした。
 そのほうが 統一感があっていいだろうし。」

 さっと 不破君が立ち上がって姿勢を正した。

「皆様の映画のすばらしさを さらに盛り上げられるよう 全力尽くします。
 どうぞ よろしくお願いします。」


 いつもどおりの 丁重なお辞儀の彼に
 出演者やスタッフから 温かい拍手が送られた。


「…で、時間がある限り 撮影現場に密着して 臨場感出したい…か。」

 社さんが 感に堪えぬというふうに ひとりごちた。

「うわさどおり『職人』だなぁ。」

「職人?」

「『礼儀正しい』に加えて 彼の代名詞だよ。100%満足いくまで 絶対に妥協しないんだと。」

「…それは…でも、当然のことでしょう」

「あー、はいはい。ここにも 同類がいたな。そういえば。」

「敦賀さん、社さん。夕食の用意ができましたので 大広間にどうぞ!」

 スタッフの1人が呼びに来てくれる。

「なんで 今日に限って みんなで夕食…なんでしょう。」

 いつもなら

 朝は ホテルのバイキング
 昼は 仕出し弁当
 夕食は 各自でそのへんに 好きなもの食べに行くのだが…

「『陣中見舞い』にって 不破君が 大量の野菜や肉・魚を差し入れてくれたそうだ。」
 
「…若いのに…すごい気配りですね…!」

「まったくだ。この道10年のベテランでも こうはいかないよな。」

「でも、そんな持込の食材 どうやって料理…」

「お疲れ様です!敦賀先輩 社さん」

 大広間に入ったとたん
 明るくかわいい声が響いた。

「きょ、京子ちゃん!?なんで、エプロン姿…に お盆!?」

「ホテルの厨房設備お借りして 今まで、作ってたんです。」

「…君が?」

「こ、この大人数を!?」

「ホテルのおなべやフライパンは 大きいし。たった20人くらい 大人数に入りません!」
 
 俺や社さんの仰天した声に 彼女はさらっとこたえた。

「こんばんは 敦賀さん 社さん どうぞ お好きなお席に。」

 すっと 彼女の横に立つ人影
 彼も 手に 盆を持っている。

「ふ、不破君?」

「き、君 何を…」

「彼女1人じゃ 配膳 大変そうでしたので…」

「も、申し訳ないので け、結構ですって も、申し上げた…ん です…が。」

 最上さんは 真っ赤になって消え入るような声だ。

「うちは、食材 ネット契約してて 定期的に同じ量届くんですよ。
 なのに ずっと ロケで留守にしてるから…たまる一方で…
 処理に困ってたの無理に押し付けたんです。 お手伝いくらい 当然です。」


 にっこり 不破君が ほほえむ。

「さあ、冷めてしまいますよ。どうぞ。」

「あ、ああ。じゃ」

「い、いただきます」

 どうやら 俺達が最後だったようだ。

 俺と社さんに配膳を終えて すぐ

 彼ら二人も 入り口に近いテーブルに座って食事を始めた。

「う、うまいぃぃ~」

「家庭料理に飢えてたの 割り引いても おつりが出るほど ホントうまいっ!!」

 そこここで 絶賛の声があふれてる。

 ほ
 ほんとうに

 おいしいっ!!

 食べることには関心のない俺でさえ そう思う! 
 
「京子ちゃんって 料理上手なんだなぁ。深窓のご令嬢のわりに」

「深窓の…?」

 社さんの感嘆の声に 思わず聞き返す。

 子供時代の彼女の境遇からして
 あまりにそぐわない言葉だからだ。

「だってさ!着物は着慣れてる 茶道は板についてる 
 保護者から 私費でマネージャーまで、つけられてる。
 どうみたって 親に溺愛されてる お嬢様だろう?」

 …。

 おかしい!

 『保護者』なんて いないも同然だったはず…

 彼女には 母親しかいなくて
 しかも どう考えても 彼女の母親は「溺愛」には 程遠い!

 …ということは…

 高価な私服同様 「彼氏」が貢いだのか
 あの有能なマネージャーの女性も…。

 そうとう…金持ちらしい…な。

 キョーコちゃんを溺愛してる「彼氏」とやらは!

 口にしたビールが やたらに苦かった。

 

 
 
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