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スパイラル・スキップ・ビート!

「スパイラル・スキップ・ビート!」№50(蓮)

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 シャーシャー

 フロントガラスのワイパーの動きが せわしくなってきた。

 社さんを降ろしたときは まだ遠慮がちだった春雨が がぜん本気になってきたようだ。

 こういうときは 駐車場から 直通エレベーターがあるのがありがたい。

 いつものように マンションの駐車場に入るためのリモコン(居住者にだけ渡される)を操作して
バーを開けようとしたとき、先客がいるのに気づいた。

 小型タクシーが一台。

 客は乗ってないが 上のランプが消えている
 …ところを見ると マンションの住人に呼び出されたのだろう。

 運転手が 窓を開けて 右側のインターフォンマイクをとる。
 
 (ここの住人…俺とか…は、外車利用者も多いので 左右についているのだ)

 あのタクシーが どかないと 俺もはいれない。

 仕方なく 待つことにする。
 向こうは 玄関前に行くはずだから バーさえくぐれば…

「はい。最上です」

 !!

「白樺タクシーです。今、駐車場前につきました。」

「あ、ごくろうさまです。今、開けますから!」

 ウィーン

 即、バーがあがった。

 彼女が 部屋の中から 操作したのだろう。

 すっと タクシーは 左に曲がる。

 玄関前に向かう方向に。

 俺は右に曲がる。駐車場に向かう方向に。

 だが 駐車場の定位置までは いかず
 適当な位置で 車を止めて 即 エレベーターに乗り込み 玄関のある階でおりた。

 すばやく 頭の中で計算する。

 不破君は 絶対に 一緒ではない。

 彼が いるなら

 大切に慈しんでる彼女に
 こんな貧相な小型タクシー 絶対に 呼ばない!

 呼ぶとしたら 超高級ハイヤーだっ!

 降りてすぐ エレベーターのドアにロビーの植木鉢を置く。

 ドアが閉まらなければ エレベーターは動くに動けないだろう。

 そうしておいてから
 車から持ち出した 軽い変装用のサングラスと帽子を身につける

 さも、今 部屋から出てきましたという顔で 玄関をでてエントランスに抜ける。

 さっきの運転手が 待っていた。

「待たせたね、最上です。」

「いえいえ、ご利用ありがとうございます。さ、お車はあちらに…」

「それが…申し訳ないんだが 急用ができてしまってね。キャンセルさせていただきたいんだ。」

「…は?」

 すっと 1万円札を1枚彼の手に握らせる。

「こんな雨の中きていただいたのに 本当に申し訳ない。これ、おわびに」

「え。え、いえ!そんな!こ、ここまでの運賃で…」

「いいから!そうしないと 俺の気もすまないし…!」

「な、なんだか かえって…。あ、ありがとうございます。どうぞ またぜひ ご利用ください。」

「ああ。また、利用させていただくから よろしくね。」

 何度もお辞儀をしてさっていく 実直そうな運転手
 彼のために リモコン遠隔操作して 出口バーも上げてやる。

 テールランプが 車の群れに紛れ込んでいくのを確認して

 いそいでエレベーターに向かい
 ドアを止めてた 植木鉢を外した。

 とたん
 エレベーターのランプは 上に向かって点滅していく。

 34Fでとまったそれが まっすぐ下に向かってきた。

「もう!どうして こんなに時間…」

 案の定
 彼女が一人で 降りてきた

 …のに 正面から でくわす。

「つ、敦賀さん!?」

「やあ 偶然だね。最上さん。」

 にっこり ほほえんでみせる。
 むろん すでに変装は 外してある。

「こ、こんばんは!あ、あの 急いでますので これで失礼しま…」

「タクシーなら 帰ったよ。」

「はっ!?」

「俺が帰ってきたとき、ちょうど運転手さんが 急な無線で呼ばれてね。
 産気づいて困ってる妊婦さんが 助けを求めてて
 いちばん近いとこにいるのが 彼なんだって。」


「ま、まあ!大変!」

 すっと
 彼女のほうが 真っ青になってしまった。

 ちくっ

 ほんの少し 良心が痛い。

「『で、でも、お客様もお待たせしてるし』って 困りきってらしたから つい
 ここの住人なら 俺が伝言して 次のタクシー手配するからって 口出ししちゃって…」


「つ、敦賀さんって 本当にすばらしい紳士なんですね!」

 うっ

 きらきらきら

 輝く純粋な信じきった瞳

「で、き、聞いてみたら 34階の最上さんって言うから。
 それなら 知り合いだから、俺が運転手つとめると…」


「そんな!大先輩に そんなこと おさせしては申し訳がありません!
 大丈夫です!もう1台 タクシー呼べばすむことです!」


 にっこり
 天使の微笑み

「本当に ありがとうございます!
 私が 敦賀さんでも 運転手さんに すぐ行ってあげてくださいってお願いしてました!」

 
 ずっきん!
 
「わざわざ残っていただいて ご伝言ありがとうございました。敦賀さん。」

 ぺこんとお辞儀をして 携帯取り出す彼女をあわててとめる。

「最上さん!!」

「は、はい?!」

「お願いだから 俺に送らせて!」

「え?で、でも!」

「俺は運転手さんに『責任持って送る』と 請合ったんだ!
 男が男と約束したことを たがえるなんて 信義にもとる!!!」


「…敦賀さんっ…」

 ぐっ!?

 みるみる
 彼女の目に涙が 盛り上がる

「も、最上さん?」

「ご立派です!」

「…は?」
 
「敦賀さんは 本当にLMEを代表する いえ!芸能界を代表する紳士の中の紳士です!」

 きらきらきらん
 後光が差しているような 純金のオーラ!

「い、いや…そ、それほど…で…も…」

 ずきん!ずきん!ずきん!!
 
 どうしよう…。

 なんだか
 とてつもなく
 ものすごく 良心が痛み出した!
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