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スパイラル・スキップ・ビート!

「スパイラル・スキップ・ビート!!」№72(レイノ)

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 …ん?

 すっと かすかな空気のゆらぎを感じた。

 仲間達は
 俺そっちのけで バカ話に興じてる。

 ちらりと振り返ったら
 やたら背の高い男が 立ち上がったところだった。

 サングラスに 目深な帽子…で 顔は見えない

 だが あのオーラ…には 覚えがある

 黒龍
 敦賀蓮…!

 あの時とは比べ物にもならないが
 こちらに向けて 冷ややかな敵意を放っている。

 …。

 ああ
 こいつらの軽口が お気に召さなかったのか。

「エンゲル係数ならぬ 恋人係数高いよなぁ 不破さん」

「自分のステージ衣装代より 彼女の私服代のほうが高くついてるんだとさ」 

「不破さん自身は あまりというか 全然、衣装に凝らないもんなぁ…」

「キョーコさんの私服やアクセだけで 2部屋 丸ごとクロゼット状態だって」

 『視えない』っていうのは 幸せだ
 
 黒龍が背後でにらんでたのにも気づかず キヨラたちは 言いたい放題だ。

 天使ちゃんは、
 『溺愛』という名の頑丈な檻に とらえられている。

 おだやかな 礼儀正しい紳士と 誰からも 高く評価されている…が

 あの不破さん
 実は 恐ろしい人だ。

 あれは2日前
 不破さんが 休暇をとる前日

 ばしゃっ!

「…っつ!だ、誰だ!?」

 いきなり 頭から水かけられたキヨラが 怒りくるって振り向いた。

「…!ふ、不破さん!?」

「ここは 禁煙です。あのマーク 気づきませんでしたか?」

 ミネラルウォーターのボトル片手に 不破さんが立っていた。

「あ、ああ!す、すみません!つい!」

 キヨラが 水かけられて 消えてしまってるタバコを あわててゴミ箱に捨てに走る。

「す、すみませんでした!!」

 ミロクが 恐縮しきってわびる。

 不破さんは
 俺たちに 提供してくれる新曲の譜を
 わざわざ スタジオまで持って来てくれたのだ。

 それなのに とんだ醜態…!

 リーダーとしては、真っ青になるしかない。

「キヨラさん…。」

 ミロクのことは、無視して
 不破さんが まっすぐにキヨラに向かって話しかけてきた。

「は、はい」

「今 誰かが 君の指に向かって かみそりの刃 つきつけてきたら 君、どうします?」

「え。そ、そりゃ に、逃げます!指 やられたら 俺の商売…」

「歌手にとって」

 静かに 不破さんが続ける。

「タバコの煙は かみそりの刃にも等しい。確実に のどを傷つけられるのでね」

「…あ!」

「だから スタジオは どこでも 絶対に禁煙なんです。わかっていただけますか?」

「は!はい!ほ、本当に すみませんでした!!」

「どこであろうと」

 ちらりと 俺を見る

「ボーカルさんのそばでは 絶対、吸わないことだ。
 まして、このレイノさんは、繊細な高音がウリでしょう?ダメージ、大きいですよ」


「は、はい!」 

「レイノさんの声は ビー・グールさんの生命線。
 自分たちで それを台無しにして…」


 真摯な目で オレたち全員を見渡す。

「あっという間に 芸能界から 消えていきたいとは 思ってないですよね?」

「も、もちろんです!」
 
「…それに…よく考えたら 皆さん 確か まだ 未成年じゃなかったですか?」

「うっ!!」

 そう…
 最年長のミロクだって まだ19だ。

「芸能人だからって 法律は甘やかしてくれない。
 写真誌にでも売られたら たちまち解散の危機ですよ?」


「は、はい」

「どうぞ あなたの お好きなように お選びください」

 じっと 不破さんがキヨラを見つめた。

「タバコか 芸能界か…ね。」

「た、タバコをやめます!二度と絶対 吸いません!誓います!!」

 キヨラは 泣きながら土下座して不破さんにわびた。

 あくまで 丁寧で
 礼儀正しくて 一切 声を荒げてもいない

 だが そばにいた俺たちまで
 震え上がるほど 恐ろしかった!

 怖い男だ

 心に猛る火龍を 住まわせている。

 グループ最年少のタスクだって あの人と同い年

 俺たちのほとんどが あの人より年上

 だから 初めて会ったときから あの人は俺たちに敬語を使う
 (もっとも あの人は誰に対しても 平等に丁寧だが…)

 デヴュー時期の差も たかが半年くらい

 …なんだから ため口でも よさそうなものだが

 絶対に そうはさせない雰囲気がある!

 どうしても みんな
 自然に あの人に恐縮して 敬語を 使ってしまう

 あの人に触れてみて
 先日の妙な警戒心の謎 解いてみたかったのだが

 とうてい
 そばになんか 寄れなかった

 それほどに 近寄りがたいオーラだった

 あの天使ちゃんとは また違う

 あの少女、初めて見たときは驚いた!
 今までに見たことがないほどに けがれない美しいオーラ

 普通の人間には 興味がない俺でさえ つい 引き寄せられてしまった

「あー!おれもあんなふうに いちゃらぶできる かわいい恋人がほしい~」 

 タバコの一件以来
 ますます 不破さん信者になったキヨラが うらやましそうに叫ぶ

 …そんなのんきなレベルじゃない

 あの人の想いの強さは
 
 執念にも似た すさまじい盲愛が
 彼女を がんじがらめに縛り上げてるのが見える

 …。

 ダメだ…!
 
 不破さんから 手渡された楽譜から 読み取れるのはこの程度!

 だが
 なにか おかしい!

 ところどころ 映像が ダブって見える

 なんだろう
 この不可思議な影は

 まるで
 未来が 写っているような

 この 説明不可能な像は…!

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