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スパイラル・スキップ・ビート!

「スパイラル・スキップ・ビート!!」№92(尚)

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「えー!?」

「うっそぉーー!?」

「ほ、ほんもの?ほんものなの!?」

 久永一紀の個展。

 オレとキョーコは
 会場に 堂々と素顔さらして乗り込んだ。

 ユウヒグラフで大賞とったとはいえ、まだ無名に近い新人
 会場にいるのは ほぼ関係者やカメラ愛好家 写真ファンで50名ほどだった。

 奥の方で 客に挨拶してた久永が 泡を食って駆け寄ってきた。

「よ、ようこそ!不破さん!京子さん!お、俺なんかの個展に!こ、光栄です!」

「ユ、ユウヒグラフ編集長の吉敷です!ご来場ありがとうございます!!」

「大賞受賞ならびに初個展 おめでとうございます」

 用意していた百合とバラの花束を手渡す。

「あの、これクッキーなんです。私の手作りで申し訳ないのですが、よろしければ、皆様で」

 キョーコも 胸に抱えてた紙袋を差し出した。

「そ、そんなお心遣いまで!あ、あああああありがとうございます!!」

 どどどっと 久永の額に汗が噴き出してる
 顔が赤らんで 眼にはうっすらと 涙が浮かんでいる

『不破尚!?だから、どーした!俺は、久永一紀様だ!』

『向こう』の初対面の時とは 大違い…。

 コイツも
 最初は こんなに 純だったんだな…。

 わーわーわー

 ん?

 周囲が やたら騒がしくなってきた

 ん?!

 い。いつのまにか
 会場の客が 増えてる!

 いまや 200人以上にふくれあがってる!

「きゃー!!!!!やっぱり!!本物よ!!」

「京子ちゃぁぁん!!」「尚ーっ!!!」

 …写真展なら ファン層かぶらないだろうと思ったのに!

「ふ、不破さん!京子さん!こ、こちらへ!」

「お二方がそろわれてると 野次馬が増える一方です!!」

 久永と吉敷編集長が あわててオレ達を控え室にひっぱっていった。

グリーンりーふ

「ま、まさか!!」

 控え室
 事情を明かしたオレの言葉に、久永は真っ青になった。

「あ、あの感じのいいご夫婦が あ、あの不破さんと京子さんだったなんてっ!」

「すみませんでした。あの状況では 嘘つき通す以外…」

「い、いえ!こ、こちらこそ お二人のような有名人カップル、見抜けないなんて!!」

 ずずずっずずずずずっずん

 久永は 本気で落ち込んでいる

「ってことは!」

 声をのんで聞いていた 吉敷編集長が 震えだした

「あ、あの大賞作品の美女はっ!」

「キョーコです」

「ご、ごめんなさい…メ、メイクの方がプロで…凄腕だったので 別人のように…」

 キョーコが 申し訳なさそうにうつむく。

 いくら凄腕でも
 元がよくなきゃどうしようもないんだが…

 そのへんの自覚は まるでないようだ

 もっとも

 『向こう』でも キョーコはそうだった

 『世界の妖精』と絶賛されるようになっても
 どこまでも謙虚で礼儀正しくて…その容姿以上に その人柄で愛されていた

 だから

 オレも
 少しでも キョーコを見習おうと…

「じゃ、じゃあ 肖像権料!ああ!で、でも、確か ご主人に掲載許可…」

 気の毒に
 久永は すっかり混乱している。

「そんなものいただくつもりはないので ご安心を」

「ほ、本当ですか!」

「ええ、でも…」

「で、でも?」

「今後『モデルが誰か』…という質問には いっさい 知らぬ存ぜぬで通してください。」

「は、はい!」

「それと…ユウヒグラフさんつながりで掲載依頼があって うっかり 親父が受けてしまった
 7件は仕方ないとして 他の所への 転載は 絶対認めないでください。」


「も、もちろんです!」

「では、よろしくお願いします。」

 言いたいことは言った。

 丁重に頭を下げてから すっと 立ち上がる。

「失礼しよう、キョーコ」

「はい!」

「わ、わざわざ ご来訪いただいて!」

「呼び出して頂ければ 駆けつけましたのに!」

 二人が恐縮して ぺこぺこ頭を下げる。

「…いえ。いい写真を撮って頂いたお礼も 申し上げたかったので…」

 『向こう』では

 『風を撮る男』久永一紀は
 アルプスの山に 風を追いかけに行って

 ついに
 帰ってこなかった…。

「厚かましいのですが あの大賞作品 パネルで頂戴できませんか?
 むろん、実費はお払いします。」


 『向こう』の大賞作品『古都の春風』は、嵐山を背景に池に浮く桜の花びらだった。

「と、とんでもありません!差し上げます!贈呈させて頂きます!何枚でも!!」

 人物を撮ることを 
 とことん嫌ってた久永

「あ、あのとき撮らせて頂いた 他の作品も 全部!パネルにして お届けします!」

 風景写真のはずだった出世作が 人物写真になった

「お二人ともすごく素敵に撮れてて!どれを投稿するか すごく悩んだんですよ!」

「光栄です」

 …この違いは
 ヤツの運命を 変えてくれるのだろうか…。

「オレ達も 久永さんの写真 すごく好きなんです。」

「機会があれば、また撮ってくださいねっ。」

「よ、よろこんで!」

 答えは
 10年たたなきゃわからないのだが…。

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