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№26(side:久遠)

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「それにしても、解せませんわ…Mr.クオン」

「なにが?」

 ノエラ嬢から、今日の首尾を聞き出した最後に
 彼女が 不思議そうに つけたした。

「こんな手間かけるより 予約の時に 別の名前…いかにも
 女性っぽい名前 お使いになればよかったじゃありませんか。」

「一度だけなら そうしたさ。」

 デスクの上から うっかり タバコをとりかけて…元に戻す。

「あら?禁煙なさるのですか?」

「ああ…」

 キャビンを開けて、買い置きのたばこも 
 すべてカートンごと ダストシュートに放り込んだ。

 最上さんは タバコが 苦手だ。
 
「お客様あっての商売ですから 我慢するしかないんですけど…
 煙いし 臭いし 喉と目が痛くなるし!最悪なんですよ!」


 まだ 売り出したばかりで
 だるま屋の手伝いをしていたころ よくぐちっていた。

「だが 彼女は 嘘の上手い人種じゃない。俺と 逢ってること
 うっかり 口すべらせてしまうおそれがある。あの男にばれたら…」


「怒鳴り込んできますか?」

 …それなら まだいい!
 いくらでも 怒鳴り返してやるとも!

「すぐ 彼女を日本に連れ帰って、絶対に 誰にも手出しできない
 とこに 閉じこめるだろう。まず、間違いなく。」


 …俺が あいつなら そうする…絶対に…!

「『ツルガ』という名に 別のイメージをうえつけておく必要があるんだ。
 早ければ早いほどいい。」


 なんせ これは
 彼女の記憶喪失という
 実にデリケートな事態に 支えられた計画だ。

 いつ 元に戻るかわからない。

 ぐずぐずしている暇はない!

「そうすれば 彼女が うっかり 『ツルガさんが…』って言っても
 ヤツは、君のことだと思ってくれる。」


「責任重大ですね、私。」

「ああ…しばらくは 今日のように 待機しててもらうよ。
 万が一ってこともあるからね。」


「ええ!そのかわり…お約束は守ってくださいね。BJシリーズの
 監督に紹介してくださるって。」

「紹介するだけなら おやすいご用。でも その後は…。」

「紹介して頂けさえすれば あとは 私がします。
 私のようなアラブ系…今の アメリカでは、オーディションの機会
 さえ与えられないんですもの。」

 悔しげに唇を噛む。

 …だろうな。
 
 自由・平等をうたう合衆国でも
 心理的差別ってヤツは 存在する。

 彼女の容姿・実力なら 充分 スターになれるのに…。

 国籍が 彼女をはばんでいる。
 書類審査だけで 落とされ続けているらしい。

  ― Only you~♪ ―

 …!

「失礼!」

 あわてて デスクの上のカード携帯をとる。

「最上さん!」

「…あ。よ、よく おわかりに…。」

 当然だ!この携帯の番号は、君にしか教えてない!

「ちょっと 待っててね。」

 断ってから ちらりと ノエラ嬢に視線を向ける。

 彼女は うなずいて 即 部屋を出て行った。

 利発な女性だ。
 チャンスさえ 得られたら 即 売れるに違いない。
 
 改めて、最上さんに話しかける。

「…大丈夫?不破君に あやしまれてない?」

「は、はい。むしろ、『悪かった』って あやまられてしまって…」

 いまにも 消え入りそうな声だ。

「…そう…」

 …ヤツも だてに 年取ってる訳じゃなさそうだ。
 少しは 人間的成長ってものを しているんだろうか…。

「返してあげたいんです。早く、不破さんに、奥様を」

 彼女が 切なげに言う。

 …ということは
 まだ、パラレルワールドに跳んでる…と 思いこんでるのか。

「最上さん…。そんなに 落ち込まないで。」

 実に…都合のいい誤解だ!

「落ち着いて…ゆったり構えていれば ふっと戻れたりするよ。」

 まだ…戻らないでくれよ!頼むから!

「大事なことは 君が いたずらに パニくらないことだよ。」

 …俺の想いを…しっかり 君に伝えるまでは…!

「俺がついてる。どんなときでも 君を支えてあげるから…。ね。」

 君に…応えてもらうまでは! 

「明日…ゆっくり 逢おう…二人で…。昨日とは 違う場所で。
『ツルガ』の名で予約入れておくから…。」


 絶対に 元には戻らないでくれよ!…まだ…!!



 
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