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総もくじ  3kaku_s_L.png アナザー・スキップ・スキップ・ビート!
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スパイラル・スキップ・ビート!

「スパイラル・スキップ・ビート!!」№159(A蓮)

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「続報はないのか!続報は!!」

「そ、それっきり なしのつぶてで…」

 …っ!?

 な
 なにごと…だ?

 撮影が終わって、スタジオから一歩でた
 そのとたんに 待っていたのは パニック寸前の大騒ぎ

 せわしなく 人々が行きかい 興奮した大声を はなっている

「れ、れんー!!た、大変だぁぁぁぁぁぁー!」

「どうしたんです!?社さん!」

「ふ、不破君が…」

 !?

「ま、まさか 容態が悪化したとか…」

 声が出なくなった…だけでは すまなかったのか!?

「い、いや そういうことでなく…」

 ゴム手袋はめた手で 社さんが携帯3Dプレイヤーを差し出す

「…これを…。百聞は一見にしかずっていうから…」

 ???

 腕時計を確認する

 21:30

 幸い 今夜は もう これで仕事はあがり

 キョーコは まだ 収録中。

 同じ局だから 見計らって迎えに行くことになっているが 終了予定時間は まだ 30分も後

 廊下の隅にある休憩コーナーに腰掛け いわれるがまま 再生ボタンを押す

 芸能ニュース特番…?

「なんと!あの 不破尚さんに ついに本命の恋人出現です!」

 …え…

「ほんと びっくりしましたよねぇ」

 にこやかに アナウンサーが コメンテーターに話をふる

「ええ 沈黙を破って 曲だけは どんどん発表されるようになって 喜んでいましたが
 また いっそう すばらしいニュースです!」

 コメンテーターのほうも 満面の笑顔だ。

「それでは!その話題の恋人の画像を ご覧ください!」

 しゅんっ

 画面が 録画に切り替わる

 一面の菜の花畑
 間に伸びる 舗装されてない細い道

 その道を 白い麦藁帽子の少女が ゆっくり歩いてくる
 
 っ!?

 キョーコ…?

 いや
 そんなはず…!

 つややかで美しいストレートの黒髪が 風になびく

 …ちがう…

 ふっと 気が抜ける

 キョーコの髪とは違う
 キョーコの髪は もっと軽い明るい茶色だ 

 画像の中の少女が ふと たちどまり 菜の花に手を伸ばす

 手のアップ
 指にモンシロチョウが止まる

 帽子を目深にかぶっているので その顔は見えない

 ふわっと いたずらな風が 彼女の帽子を 空に飛ばしてしまう

 あわてて 手を伸ばしたが 背が届かない

 …ところに すっと手が伸びて その帽子をつかんだ男の手 
 
 待っていた恋人なのか
 彼女は まっすぐに その男の胸に飛び込んだ 

 きゃしゃな背中をおおう ストレートの黒髪
 男の指が その美しい髪を いとしそうに梳いている

 ほっそりした少女は 後姿だけしか見えず
 男の顔も 画面が切れて 目元が映っていないのだが

 不破!

 わかる

 まちがいなく 不破だ!!

 映像は しだいにぼやけ ふっと消えた

「原因不明の難病で 声が出なくなり 精神的ショックで 私たちのまえからすがたを消していた不破さんですが…」

 アナウンサーの声は かけねなしに 弾んでいる

「最近になって どんどん 曲が発表されるようになったかげには こうした恋人の存在が あったのでしょうね!」

「ええ!その証拠に 最近の曲は どんどん 若く 明るくなってきていました。最高に幸せな恋をしているのでしょう」

「それにしても あの…失れ…ス、スーパースター不破さんの心を いとめたのは どんな素敵な女性なのでしょうか!」

 …一瞬 アナウンサーが 口ごもり あわてて いいつくろった。

 失恋ソング・シンガー

 彼についた別称

 さすがに
 当人の前で 言うあほは いなかったが

 キョーコへの未練をたらたらに込めた 切ないバラードが ヤツの歌風だったから

「一般人なので 顔を公開できない…ってことで…画像では、お顔が見えません。
 そこで 女性の美に詳しい お肌の専門家 笹チヅルさんに お越しいただきました」

 その声にこたえて スタジオに 一人の女性が登場した

 60歳を超えても 30代肌を維持してる 美容専門家だ

「帽子の下から少しだけ見える顔と 手の感じでは とても若い…お嬢さんですね」

 美肌のプロは きっぱり断言する

「17、8かしら。20歳は 超えてないでしょう」

 なっ!?

「え。ええー!そ、そうなんですか!?」

「色白できゃしゃで…なめらかな美しい手 なにより 爪が 若いんですよ」

 チヅル女史は、少女が抱きついた画面で止めさせて 男の鎖骨あたりに置かれた手を拡大する。  

「マニキュアもしないんでしょうね。少しも痛んでない。美しい健康な爪。清楚で純真なお嬢さんのようですね」

「そ、そこまで…わ、わかるものなんですか…」

「ええ、髪も…一度も染めたことのない 健康でつややかな髪で…みどりの黒髪って まさにこういう髪をいうのね…」

 ほぉ…

 女史が 感嘆のため息をはく

「お会いしてみたいわぁ きっと 素敵なお嬢さんだと思いますよ、私」

「本当に!ますます 興味がわきますね!どんな方なのでしょうか!」

「せめて 結婚式は われわれに 公開してほしいですね…」

「ええ!不破さんに ぜひ お目にかかりたいです!私、個人的にも 大ファンなんですよ!」

「あ、そうなの?じゃ 恋人出現とか ショックじゃない…?」
 
「失意のあまり ひきこもってらした不破さんを 曲作れるまでに 復活させてくれたんですよ?
 ファンにとっては大恩人です! 『恋人さん ありがとう!』ですよ!」

「そっかぁ…。いいファンだね…」

「やだ、からかわないでください」

 アナウンサーの顔が 本当に 赤く染まった

「このビデオは 匿名の方からの投稿でした。」

 その赤みが 収まらないまま アナウンサーが カメラに正面から向き直る

「数ある局の もっと数ある番組の中で たまたまではあっても 私どもを選んでくださったことに感謝いたします」

 深く頭を下げ、しばらく動かない

「…不破さんが…お幸せそうで…うれしかった…です…」

 ようやく頭をあげた
 必死に笑顔を作る その眼が真っ赤だ 

「ぜひ 第2、第3のお便りを お待ちいたします!」

 明るい声を作って 最後の挨拶を送るアナウンサーの声とともに エンディングテーマが流れる

 …なるほど…

 『たまたま』』では あるまい
 不破が(あるいは 不破サイドの誰かが) この番組を選んで送った理由が なんとなくわかる

 CMが流れ始めたところで 停止ボタンを押す

「何事かと思いましたが…おめでたいニュースじゃないですか。
 さっそくキョーコと相談して お祝いの品送らないと」


 彼のことだ。
 ここまで公開するってことは いずれ 結婚するってことだろう。

「びっくりした…まさか…彼が 他の女性を好きになる日が 来るなんて…」

「恋は遠い日の花火です。失恋を癒す特効薬は、新しい恋っていうでしょう?」

「そ、そう…だな!そうだよな!!」

 社さんの顔が 喜びに輝いた。

「よ、よかった!これで俺の気苦労の10分の1が 確実に消えた!!よかった、よかったよー!!」

「…は?」

 どういう…意味だ?

 なんで
 不破の恋愛で 社さんの気苦労が減る?

 ときおり わけのわからないこと わめくが 相当 疲れてるんだろうか

 だが

 よかった 本当に!!

 今度という今度こそ 心のそこから 安堵できる!

 声の出なくなった歌手
 華やかな舞台から消えた彼を それでも 愛したというなら

 今度という今度こそ 掛け値なしに本物の恋人に違いない

 なによりも
 彼女の髪に触れる 彼のその指が 能弁に語っていた

 ― 誰よりも いとしい ―

 よかった 

 本当に よかった

 幸せになれよ 不破

 俺と同じくらい 幸せに…な!
   
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