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№167(『闇に咲く花』【3】(side:セリカ)

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  女子高生名探偵 セリカ      闇に咲く花     【3】(side:セリカ)  

       監督   緒方 啓文

       吉野せりか…京子

       北條 忠志…敦賀 蓮
 
       北條 沙織…琴南奏江 

       北條 寛志…貴島秀人


「あ、の『見えないところを探す』って…どうゆう…」

 忠志さんが おずおず 聞いてくる。

 蔵の片隅に置かれているたんすを 指差してみせる。

「あれ…ずいぶん古いタンスですよね」 

「あ、ああ 曾祖母が 嫁入りするときに 持ち込んだらしい。
 代々、長男の嫁に引き継がれてて…母も大事に使ってたんだが…」


「嫁いでこられて タンスを受け取られた孝子さんは いやがって 蔵におしこんだってわけですか」

「…まあ…ね」

 忠志さんが、苦い口調になる。

「日ごろ温厚な父が…ものすごく 怒ってたの 覚えてるよ」

 そうでしょうねぇ…。

 おそらくは
 持参した現代的な花嫁道具類とミスマッチだったのだろうけど

 お嫁入り早々「それ」では 婚家の皆様から いい感情は持っていただけないだろう。

 よほど 強力なバックボーンを お持ちなのだろうけれど…。

「蔵にほったかされてたせいで ますます いたみが 激しくなってね…」

「もう一度 お母様が お使いになればよろしかったのに」

「母も そうしようとしたんだけど…父が『もういい!忠志に嫁がきたら、使わせろ!』って」

「えーっと?そのころ 忠志さんって…」

「14歳だった。ずいぶん 気の早い話だと 思ったよ」
 
 うっわ!
 相当 腹に据えかねたんでしょうねぇ…。

 でも…きっと それだけじゃない…!

「だとしたら、やっぱり これが 怪しいですね」

 ただのタンスなら そこまで 激しく 怒りはしない。

「…は?」

 シューズの靴底に仕込んである作業道具セットを引っ張り出す。

 一見したところは 単なるミニミニ巾着袋
 日ごろは小さくしているそれを ボタンを押して しゅるしゅるしゅると 元の形に戻す

 中から 巻尺を取り出して たんすの寸法を測る。

「っ!?」

 忠志さんが あぜんとしてるようだけど
 周囲のこんな反応 いつものことなので 気にしない。

「隠し引き出しがありますね」

「え?!」

「あからさまに 寸法がおかしいです。この部分。1,5cm」 

 たんすの最上段と2段目の間を指差してみせる

「…ま、まさか…」
 
「忠志さん 皆様を呼んでください、孝子さんも。
私たちだけで開けるのは 後々 問題でしょうから」


「ね、義姉さんも!?」

「当然です」




「…まさか このたんすに 隠し引き出しがあったなんて…」

 先輩のお母様が ぼうぜんと たんすを見つめてる

「嫁入ってから 孝子さんに 引き渡すまで 25年。毎日 使ってたのに…!」

「すぐには 見つけられないからこそ 『隠し』なんですよ。
 わざわざ 寸法 測ってみようとは どなたも思わないでしょうから 当然です」


「…でっ!どこに 隠し引き出しがあるのかしらっ!?」

 真っ青に引きつった顔で 孝子さんが 問い詰めてくる。

「失礼な言い方するな、孝子」

 たしなめたのは 先輩の一番上のお兄さんの寛志さん

 この方も長身のすっごくかっこいい男性
 孝子さんが 一目ぼれしたのも 無理はない

 沙織先輩も 学園みんなに崇拝されてる あこがれの女王さま
 
 つくづく 美形一家よね!

「せりかさんが見つけてくださらなかったら 俺たち 誰も わからないまま 文字通り お蔵入りだったんだ。
 代々 長男の嫁に使わせること…その言い伝え自体が 大きなヒントだったのにな、本来なら」

 寛志さんの言い方は 静かだけれど すごく 冷たい。

「っ!」

 孝子さんが 何も言えずに うつむいてしまう。
 北條一族の非難する目が 彼女一人に あつまっている。

 うう
 苦手だ この重苦しい 冷たい空気!

「こちらをご覧ください!」

 わざと明るい声をはりあげて 皆さんの注意を こちらに向ける。
  
「ここの1段目と2段目の境、1,5cmの誤差があるんですが…」

 一番上の引き出しを抜けば 抜いた後には 市松模様の組み木が並んでる。

「他の引き出しは 一枚板なのに ここだけ こうなってるの 変でしょう?」

「…き、気がつかなかったわ…抜いた後の底なんか…気にしたこと…」

 北條夫人が 唖然としてる。

「普通は 誰でも そうですよ」

 2段目の引き出しも抜いて 下から こんこんたたく。

 …と
 組木の一つが ぽんっと浮き上がった。

「「っ!?」」

「あとは 寄木細工…」

 その1ピースさえ外れれば、組み木は 箱根細工のように するする 動かせる。

 かちっ

 ぽん!

 最後の組み木をはめこんだとたん
 1段目と2段目の境の部分から ごく薄い引き出しが飛び出した。

「「「おおお!?」」」

 一族の皆様が かけ寄ってきた

 中に入ってたのは 古ぼけた1枚の半紙

「おばさま、これを手にはめてから おとりください」

 はめてた薄手の白手袋をはずして お渡しする 

「え、ええ!」

 手袋をはめるのも もどかしげに 北條夫人は その紙を取り上げた。

「…??漢詩…?!」

 その不思議そうな声に 全員が 夫人の手元を覗き込む。

 相当の達筆で 1行に7字 4行の漢詩が 書かれている。

  翠青泉繁露濯得
  得紅雪甘漿正香
  滴滴人使光有若
  剖来神骨涼一嚼


「七言絶句ね」

 現役高校生の強み
 真っ先に 沙織先輩が指摘する。

「はい。題名は 書いてないですが…」

「ば、ばかばかしい!亡くなられたお義父様が ご自分の作品 隠してただけでしょう!」

「いいえ、主人の筆跡ではないし…かなり 古いわ」

「ばかばかしいと思うなら おまえは もう 戻るといい。あとは 俺たちだけで 考えるから」

「わ、私はっ!」

「どっちにしろ」

 穏やかに 忠志さんが 口を挟む

「こんな暑苦しいところでは 考えもまとまらないだろ?皆で 母屋に戻ろうよ」






 


 
 
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