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降らずの雨

小夜時雨(side:R) 【降らずの雨 No.3】

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「敦賀はん?」

診察室の外、ベンチいた俺に、不破の母親が驚いて声をかけた。

「まあまあ!もしかして、待ってくださってはったん?!申し訳おまへん!」

「不破君…は」

「おかげさまで、命に別状ないそうですのや。
これも、敦賀はんが、ヘリで手早う京都に連れてきてくれはったおかげどす!
ほんま、おおきに!」

「いや!それより!あの…!」

「キョーコちゃんも、かすり傷で…。あのあほも、クッションくらいには、役立ちました。」

「…目…は?」

 あの様子…!ただごとじゃなかった!どう見ても!

「…あかんそうどす…。」

「え」

「失明する…て」

「!!」

「まあ…本望ですやろ。おかげで、キョーコちゃんを助けられたんやから」

「そ…!」

「すんまへん。敦賀はん、うちキョーコちゃんの着替え取りにいかな。」

 ぴしゃりと、会話を断ち切る。

「あの…子…気づいた思たら…」彼女の言葉が、涙に途切れる。

「キョーコちゃんの…体ばかり…気にして…。
『羽織るものはどうした。風邪ひかす気か?』ゆうて…叱るんでっせ?うちのこと!」

「!」

「…ほんま、あほな…息子や」女将が袖で涙を抑えた。

「不破さん…」

「まあ、そういうことやさかい!急ぎ、キョーコちゃんの着替え取ってきます。
あのあほが命がけで助けたのに、肺炎にでもさせたらあかんさかいな!」

「不破さん!」

「ほんまおおきにどす。そやけど…」

 振り向いたその目は

 強い決意に燃えて、完全につり上がっていた!

「もう、うちら身内だけの問題どす。どうぞ、東京にお帰りやす。」

「…最上さんを」

「敦賀はん!」
今までにない鋭い調子で、彼女が叫んだ。

「あないになった…あの子から!
キョーコちゃん 取っていく気やの!?」


「!」

「蓮…」

 いつからそこにいたのか…。
 聞き覚えのある声が静かに響く。

「社長!?」

「…おまえも疲れたろう?京に宿とった。今夜は、とりあえずそこに泊まれ。な!」

「お、俺は…!」

「まあまあ、気のきかんことで!」女将が、恥じ入るようにつぶやいた。

「どうぞ ごゆっくりお休みになってくださいまし、敦賀はん。ほんま お世話になりました。」

「…このたびは、最上君のために…ご子息が…」

「あの子が自分の意志でしたことどす。お気になさらんといておくれやす。」

 重い口でわびる社長に 女将が 優しくほほえんだ。

「ほな、失礼して。キョーコちゃんの着替え とりにいってきますので…」

 丁重に頭を下げて、女将は去っていった。

「蓮…」

「…社長…。俺は…」

「とにかく…お前も…着替えて…あたたまって寝るんだ…。風邪ひくぞ。」

 社長が優しく肩に手を置く。
 目の奥が熱くなって、体が震える。

 西から追いついてきたらしい 凍った雨が しきりに窓にぶつかっていた。


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