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№170 『闇に咲く花』【6】(side:沙織)

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  女子高生名探偵 セリカ  闇に咲く花 【6】 (side:沙織)   

       監督   緒方 啓文

       吉野せりか…京子

       北條 忠志…敦賀 蓮
 
       北條 沙織…琴南奏江 

       北條 寛志…貴島秀人


 こんこんこんこん

 夕飯が終わって
 リビングで食後のコーヒー飲んでくつろいでいたひととき

 窓ガラスが 外からたたかれる音に 全員の注意がむく

「あら?せりかさん?」

 母が 驚いて立ち上がる。

「まあ!いつのまに 外に!?」

「なんていってるんだ?」

 孝子さんに続いて 寛志兄さんも 窓際に近寄ってきた

 なにやら 大声で叫んでるようだけど
 あいにくここの窓ガラスは 完全防音仕様 声はまったく聞こえない。

 シリンダー錠をはずして 開けようとした私を 忠志兄さんが止めた。

「彼女『外に来てください!珍しいもの 見つけました!』…って、言ってる」

「ま、まさか」

「家宝が見つかったの!?」

「…さあ?とにかく 出てみようよ」

 やけにはりきってるせりかの先導でたどりついたのは 和風庭園の池のほとり
 そこから 流れる小川の両岸の草むらの…そこかしこに たくさんの蛍が飛び交っている

「…珍しいものって…これ?」

「め、珍しくないですか!?私!こんなの 生まれて初めて見ました!!」

「あなたねぇ!」

 けんけんと 孝子さんがかみつく。

「私たちは ずっとこの家に住んでるの!いまさら こんな風景 珍しくもなんともないのよ!」

「…でも 確かに きれいだ…」

 寛志兄さんが 優しく せりかに微笑む。

「ありがとう せりかさん おかげで 我が家の魅力の一つを 再発見できました」

「い、いえ ごめんなさい 私 考えなしで…」

「…蛍のこと『あくがれいづる魂か』って歌ったの 誰でしたっけ」

 母が 乱舞する蛍の群れ見ながら ぼそっと つぶやいた。

「和泉式部です。『もの思へば 沢の蛍も わが身より あくがれいづる 魂かとぞ見る』」

「思い悩んでいるわが身には、蛍のはかない光は、まるで自分の切ない魂が
 体からぬけ出て飛んでいるように見える…。切ないお歌よね…」

 …お母様…!

「お、おばさま!あの…!」

「『おく山に たぎりて落つる滝つ瀬の玉散るばかり ものな思ひそ』」

 忠志兄さんが ぽんと 母の肩に手を置く。

「忠志?」

「その歌に、貴船の神様が返した歌だよ。『そんなにあれこれ思い悩みなさんな』ってね」

「忠志…」

「其子等(そのこら)に捕(とら)へられむと母が魂(たま)蛍となりて夜を来たるらし」

 静かに せりかが つぶやいた。

「この短歌 中学校で習ってからは 私 蛍が大好きになったんです!
 だって、この中には 私の母の魂が 来ているかもしれないって 思えましたから!」


「…え…」

 忠志兄さんが絶句し
 その場の空気が 凍りついた。

 さっと 忠志兄さんが 私を振り向いた。
 …ので 軽く うなづいてみせる。

 本人が 打ち明けたんだから 問題はないだろうし。

「おばさま、いつまでも 泣いてらっしゃると おじ様 心残りで 天国にいけませんよ?」

「…せりか…さん」

「さ 十分 眼の保養しましたし!行きましょうか!
 蛍さんたちのつかのまの宴 ジャマしちゃダメですよね!」




「…で?どこに向かってるの?本家から 遠ざかっていくけど…」

「いま 何時でしょう?」

「えっと…」

 ぽわっと 忠志兄さんの手首が光る
 発掘作業は 薄暗い洞穴に潜ったりもするので
 腕時計は常に バックライトつきのGショックだそうだ。

「午後10時30分ちょい…だね」

「いい時間ですね…」

「…何が…?」

「亥の刻は 午後10時 子の刻は 午前零時ですから…」

 …はい??

 な、なんで!?

 どこから その発想が出るわけ!?

 何よ
 その…『いのこく ねのこく』って…!!

 頭の中が ???だらけだ
 周囲を見ても みんな 狐につままれたような表情…

 でも
 誰も せりかを とめない

 この子には そういうところがある

 学園でも 最上級生でさえ 彼女には 一目置いてる

 単に頭がいいだけじゃない
 従わざるをえない 何かが あるのだ

 やがて 暗闇の中に ぼわっと白い建物が浮かんできた

 …蔵…!?

 な、なんで?
 なんで…こんな夜中に こんなとこに?!




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