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スパイラル・スキップ・ビート!

№175『闇に咲く花』【11】 (side:セリカ)

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「スパイラル・スキップ・ビート!!」№175(『闇に咲く花』【11】 side:セリカ)


  女子高生名探偵 セリカ 闇に咲く花  

       監督   緒方 啓文

       吉野せりか…京子

       北條 忠志…敦賀 蓮
 
       北條 沙織…琴南奏江 

       北條 寛志…貴島秀人


 社の裏側に現われた洞穴
 あそこに行くには 2mほどの急斜面を登らないといけない。

「こんなことなら もっと 身軽なかっこうしてくるんだったわ」

 真夏でも 涼しげに 絽の置物をお召しの北條夫人が悔しそうにつぶやく。
 
「おまえも そのサンダルじゃ 無理だな」

 寛志さんが 妻の足元を見ながら 冷ややかに言う。

「…俺の靴でも…ぎりぎりだろう」

 ぐっぐっと 靴底を土に噛ませて確かめている。

「俺が先ず登って ロープで…」

 ぱちんっ

 スニーカーに仕込んであった 重力制御ボタンを解除する。

「おば様 孝子さん 沙織先輩  私の肩に つかまってください」

「「え?」」

 真っ先に 沙織先輩が動いた。

「ほら!早く!」  

 ぱっと 私の肩につかまってから
 沙織先輩が 残りの二人に声をかけてくれる

「え、ええ」

 北條夫人と孝子さんがおずおず 私につかまった。

 それを確認してから、腰のベルトのスイッチを押した。

 しゅるるっ
 特殊ロープが ぐるっと私の周囲を取り囲み
 3人の女性を しっかり 私の体に 密着させた。

 そして とんっと軽くジャンプする。
  
「「きゃぁぁぁあぁ?」」

 慣れてる沙織先輩以外の二人が ひしっとしがみついてきた。

 おっと
 地上10m 
 ちょっと 加減を間違った

 肩先のスイッチで落下スピードを緩めながら 洞穴入り口に着地する。

「あああ…」

「あ、あなた いいいったい…!」

 足底に地面を確かめて ロープ解いた後でも お二人は立ち上がれず 震えてる。

「あは!私 ちょっと 日曜大工が趣味でして…!」

「に、ににに にちようだいくって!!」

「そんな可愛い類のものじゃない気がするけど…?」

 自力で登ってきた 忠志さん 

「…おどろいた…な」

 その弟にロープを投げてもらってあがってきたらしく 服の前面泥だらけな寛志さん

「そういえば…さっきから やけに強力なサーチライトとか…暗視メガネとか…」

「私 小物作りが 趣味なんですぅー」

「こもの…ねっ!」

 ちっ
 かわいぶりっこ笑顔では ごまかされてくれないかっ!

「さ!まずは 洞穴の奥 確かめてみましょうか!」

 なので
 話題展開を 試みる

「ねぇ、芹香さん」

「はい?」

「その便利な靴があれば あの堀から上がるの 造作なかったんじゃないのかな?」

 ぎくっ!

「あ そ そうでしたよね!やだ!私ったら すっかり忘れてましたぁー!」

「わすれて…ねぇ」

 ぎくぎくっ!

「まぁね。この子 頭はいいけど そそっかしいのよ」

 沙織先輩が 助け舟を出してくれる。

「しょっちゅう ドジばかりしてて 尻拭いするの いつも私なのよねーっ!」

 うっ

 こ、これは
 かばってくれてるんじゃなく
 まがいなく 本音でゆってますね!?先輩!!

「仏像…?」

 曲がりくねった洞穴を 10mほど歩いたところに それは あった。

 ささっと 忠志さんが 駆け寄る。

 周囲の岩肌には 石英が混ざっているらしい。

 ライトの光に反応して きらきら 輝いている。

「黒檀一刀彫り…相当 古いものだな…。X線鑑定しなきゃ 正確な年度はわからないが…」

「これが お義父さまが おっしゃってた家宝…?」

「らしいな。おい、これ、時価 いくらほどするんだ?」

「あなた!なんてことおっしゃるの?」「寛志!売るつもり!?」

 孝子さんの抗議と 北條夫人の非難がかぶった。

「え?」と 意外そうなおももちで 北條夫人が嫁を振り返る。

「…あなただって そうするつもりで 探してたんじゃ」

「とんでもありません!私!私は ただ…」

「…ただ…?」

「お、お義父さまが いまわの際まで あんなに気にしてらしたから!
安らかに眠っていただき…たく…て」

 ぼろぼろぼろぼろ

 感極まってしまったのだろう そのまま泣き出してしまった。

「でも、よかった!これで お義父さまも 安心してらっしゃいますね。家宝のことが伝わって!」

「…ええ…そう…ね」

 北條夫人が 優しく 孝子さんの肩に手をおいた。

「きっと 喜んでます。ありがとう、孝子さん」

「…お義母…さま…」

 涙にくれる孝子さんを 寛志さんが 優しく抱きしめた。

「泣いてないで ちゃんと 我が家の家宝 見届けろよ、長男の嫁として…な」

「っ!…は、はいっ!!」

 ほっ

 少なくとも 懸案事項の一つは 解消したっぽい。

「…もし これが つい 最近 作られたものだとしても…材質 細工から 考えて 1千万はくだらないな」

 北條夫人と寛志さんご夫妻が 忠志さんの声に振り向いた。

「おい!俺は参考までに聞いただけで 本気で売るつもりは…!」

「わかってるよ、あくまで 参考までに 言っただけだ」

「忠志さんのお見立てでは いつ時代の作品ですか」

「天平の頃…朝鮮半島から わたってきた仏像に 酷似してる。表情とか 体のラインとか」

 手に白手袋をはめて 慎重に検分している。

 それほど 大きくない。

 高さは 30cmってところだろうか。

「でも ずいぶん きれいな状態ですよね。そう 古くはないんじゃ…」

「いや。黒檀だから 保存状態がいいんだ。
 これが ほかの木だったら 湿気でやられてるだろうけどね」


 黒檀の仏像は 蓮華のような台座にのっている。

「この台座は…」

「それは 明らかに新しい…とは言っても 50年くらいはたってるか。この仏像置くために作ったみたいだ」

 仏像は動かさないように 細心の注意を払いながら 
 忠志さんは 拡大鏡を使って 注意深く 観察している。

「どうなんだ…?忠志」

俺の見立てが正しければ…」

 忠志さんが 拡大鏡を置いて 振り返った。

「国宝レベルの物だよ、これ」






  


 
  
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