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スパイラル・スキップ・ビート!

№177 『闇に咲く花』【13】 (side:セリカ)

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「スパイラル・スキップ・ビート!!」№177(『闇に咲く花』【13】 side:セリカ)


  女子高生名探偵 セリカ 闇に咲く花  

       監督   緒方 啓文

       吉野せりか…京子

       北條 忠志…敦賀 蓮
 
       北條 沙織…琴南奏江 

       北條 寛志…貴島秀人



   ― 翌日 AM 9:00 ―

「せりかさまに お客様が お見えです」

 北條家の皆様と仲良く朝食をいただいて
 寛志さんや孝子さん 忠志さんも 交えて 和やかに歓談していた朝のひととき
 直子さん(昔 北條夫人の お嫁入りのときに ついてきたという使用人さん)が
客の来訪を取り次いでくれる。

「私…に?」

 ???
 私が ここで 夏すごすこと知ってる人なんて…??

「はい 弟様が」

「…っ!!」

「…セリカ!」

 沙織先輩が 心配そうに 私を 見つめてる。

「あ、あの…?」

 異様なムードを 察したらしく 直子さんがとまどってらっしゃる

 いけない
 内輪の事情に よそ様 巻き込んじゃダメよね!

「あ、ありがとうございます!玄関ですよね?」

「応接室に お通しさせていただいております」

「お、恐れ入ります」

「まぁ セリカさんの弟さん?」

「それは、ぜひ お目にかかりたいな」

「お義姉さん!寛兄!ダメよ!家族水いらずで過ごさせてあげなさい!」

「え、え、ええ」「あ…ああ そうだな」

 お気遣いいただいてすみません!先輩!!



「やあ、お元気そうで お姉さま」

「…悟…」
 
 弟…とはいえ 学年は同じ

 誕生日も 3ヶ月とは変わらない

「どう…したの?こんなところまで」

「そりゃ もちろん お姉さまが恋しくて」

 しらじらしい…!

 私のこと
 家族だなどと 思ったことは 一度もないだろうに

 この子も
 この子の母親も!

「で?」

 冷たく 先を促す

「おばあさまが お袋を ねちねち 責め抜くんだよ」

 すっぱりと 悟も 本音を切り出す

「『セリカが 寮のある学校をわざわざ選んだのも
 夏休みになっても 友人宅に行って 帰ってこないのも
 あなたが いたらないからです!』って」

「まあ…。そんな ひどいこと…!」 

 それは いい気味ですこと!

 ふふん
 腹の中で せせら笑ってやる

 なんせ こいつの母親は
 男の子が生まれたのを 錦の御旗にして 私の母から妻の座 奪い取った性悪女

 どんな目にあったって 知ったことじゃない!

「でも、大丈夫よ。あなたのお母様は とても精神力の強いお方だから」

「…なんせ 人の夫誘惑して、乳飲み子抱えた正妻 追い出したくらいだもの…って?」

 ちっ

 人の腹の中 読まないでよ!可愛くない!!

「『男の子を産むのは 旧家の嫁の務め』ですもの。
それが できなかった母が 悪いのよ」


 でも
 こんなヤツに 私の本音を見せたりはしない。

 コイツだけじゃない
 コイツの母親にも その夫と その母親にも 慇懃無礼に 接してきた

 私が12歳の時 母は死んだ
 世間体のためにだけ しぶしぶ 私を引き取ったんだってことは
 引き取られたその夜の夫婦喧嘩で いやおうなく理解させられたしね!

「あなたという子宝を生んだ時点で あなたのお母様が 選ばれたのは 当然のことよ」

「僕は どっかに 養子に出せばいいんだってさ」

「は?」

「『南雲家は せりかに継がせる。悟は、どっかの金持ちに 養子に出せ。
 このごろは、一人娘が多いから 養子先は 引く手あまただろう』って お祖母さまが」

「…なっ!」

 何考えてんの!?あのくそばばぁ!!

 それじゃ
 あの時 なんで 母を追い出したのよ!

   「男の子を産むのは 旧家の嫁の務めです。それが できなかったあなたが 悪いの」

 そんな…非情な言葉で
 母が 心を病むほどに追い詰めたくせに!!

「なんせ 姉さんは その頭脳で巨万の富を稼いで
 傾きかけた南雲の会社 立て直させた 超天才少女だから…ね」

 淡々と 悟が 話を続ける。

「『将来 結婚して出て行かれたら、今までとった特許も これから先 得るであろう利益も
 みんな婚家のもの。そんなことは 絶対 耐えられません!』…だとさ」

「…なるほど…いかにも 南雲家の大奥様らしいお言葉ね」

「おかげで 母さんは すっかり情緒不安定。
 僕 抱きしめて泣き出すわ、ヒステリックにわめきだすわ…。正直 うっとおしいんだ」

「まぁ おいたわしい…」

 ま、そうでしょうね
 せっかく 腕により掛けて
 世間知らずのお坊ちゃま誘惑して 妻の座奪い取ったのに 人生計画台無しよね!

 はん!
 いいざまよ!!

 せいぜい 母が味わった 苦しみ悲しみ
 そのほんの一部でも 味わってみるがいい!!

「大丈夫よ。私には 南雲家継ぎたいなんて気持ち これっぽっちもないから」

 ひきとられたとき
 苗字も 絶対 変えさせなかった

 「吉野」は、母の旧姓。
 絶対に 南雲の苗字は名乗りたくないと 断固拒否したのだ。
 
 こいつらだって
 愛情のかけらもないんだから 引き取らなきゃいいのよ!
 いっそ 保護施設にでも入れてくれてたら よかったのに!うっとうしい!!

「もし 大奥様が そんなこと おっしゃったら」

 にっこり 悟に 微笑んであげる

「私が 特許を得て あなたのお父様の会社に使用を許可してるライセンス
 全部 引き上げるから…って ちゃんと 筋 通して…」


「脅迫するんだ?」

「…説得するのよ!」

「その答え聞いて安心した」

 悟が にんまり 微笑んだ。

「姉さんは 可愛い顔してるけど 根性悪いし。僕らのこと 心底憎んでるから
 親父の会社 つぶれても 全然 心痛めないだろうし。やるといったら ホントにやるよね」

「…っ!!」

「そう その顔のほうがいいよ、姉さん。心と裏腹な造り笑顔なんて 寒気がする」

 このガキ!
 あの女が産んだ子だけはある。ホント いやなやつ!!

「…それに 姉さんが そうなったの…僕らのせいだよね…」

 …ん?

「僕だって!選べるもんなら!もっと 親 選びたかったよ!」

「…え?」

「誰にも 恥じない…生まれ方 したかったよ!!」

「…悟…!」

「お祖母様には…今の姉さんの言葉 そっくりそのまま 伝える…」

 ずいぶん 長い間のあと 悟が 搾り出すような声でつぶやいた。

「…ええ…おねがい…ね」

 ちくり
 心が痛んだ

 坊主にくけりゃ袈裟までも
 もしかして 私 理不尽な恨み この子に抱いてた?

 子は 親を選べないのに

「私が いろんな特許とりまくって お金をためてるのは
 一刻も早く 南雲家から出て行きたいから。
 ライセンス使用を 無償であなたのお父様の会社に許可したのは
 おたくに住まわせていただいてる費用をお支払いしたいから」


 私にかけた経費 十分ペイできるだけの利益は 与えた

 高校の学費だって一銭も 出させてない
 高校を卒業したら もう 一人で生きていける。

 今までとった特許のライセンス使用料で 十分 自活できるし。

「もし すんなり 私の自立を お許しいただけるなら 今後とも ライセンス使用は 無償で許可します…と」

「うん!伝えるっ!」

 元気よく 悟が 答えた。

「いまや 姉さんのライセンスが うちの命綱だからね!
 お祖母さまも きっと あわてると思うと…笑えるな!」

「…つくづく…性格の悪い子ね」

「そのへんは 姉さんに 似たかな?」

「なっ!?」

「半分とはいえ 血がつながってるんだし。似てても おかしくないでしょ?」

「やめて!私は あんたのこと 弟だなんてこれっぽっちも…」

「姉さん!父さんとか 母さんとか お祖母様とか そんなの全部抜きにして 僕を!僕自身を見てよ!」

「…悟?」

「みんなといっしょくたにして 僕のことまで そんなに嫌わないで!頼むから!!」

「っ!!」

「それに…父さんだって!
 気が弱くて お祖母様に逆らえなくて 母さんに押し切られて 
 姉さんのお母さん捨てたこと 死ぬほど 後悔してるんだ。」

「はっ!まさか!!」

「本当だよ!だから 姉さんには 合わせる顔がなくて
 どうしても ぎくしゃくしてたけど 姉さんのこと ずいぶん心配してるんだから!」

 …っ!

「…なんて 僕が言っても 説得力ないか。
 僕も…母さんに逆らえなくて 姉さんに 冷たくあたってたんだし」

 ふぅ
 ため息ついて 弟が立ち上がる。

「まだ子どもで…逆らえなかった自分が 情けないよ。
 今なら…絶対 自分の意志通したのに…な」

「悟…」

「たまには 帰ってきてね、姉さん。せめて お正月くらいはさ」

「ええ…そう…ね。」

 さすがに
 年末年始にまで 人様の家にお邪魔するのは はばかられる

 いくら『我が家と思ってください』と 言っていただいてても…だ。

「で、研究室にこもってしまわず 少しは…」

「それは 無理!」

「…即答だね」

「話があるなら アンタが 研究室にきなさい!
 ビーカーでインスタントコーヒー入れてあげるから」


「…うんっ!!」

 ぱぁぁぁ
 一気に 弟の顔が 明るくなる。 

「なに…ビーカーコーヒー そんなにうれしい?」

「姉さんが 自分の城に 誘ってくれたのが うれしい!
 試験管アイスキャンデーでもなんでもいいよ!」

「…あんた ほんとに むかつく子ね!」
 
 
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