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降らずの雨

冬木立(side:K)【降らずの雨 №11】

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  ― 2007年 11月21日 ―

「良かった!予定より 早く退院できそうで!」

「ああ。これもオレの若さと体力のなせる技だな!」

 …眼…のほうはともかく
 手足の骨折は お医者様も驚くスピードで回復した。

「これで 明日からのコンサートは 板付きで椅子に座りっぱなし…なんて 
 みっともないことせずにすむ!助かった!」


 あれほどの大けがだったのに…ついに ショーは 仕事に一つも 穴を空けなかった。

「事情が事情だし!ファンの方も 関係者の皆さんも わかってくださるから!」
 
 アカトキの社長さん自らが 説得しても まるで聞く耳持たなかった。

「声さえ出れば できます!」

 そう言い切って… レコーディングにも コンサートにも TV収録にも…

 今日も
  ショーは、病室から コンサートに出かけている。
 (私の 『付きそう』って言葉は、『受験勉強しろ!』の一言のもと、切り捨てられた。)

icemoon.jpg


「一人で留守番?」

 談話室(といっても特別棟なので 貸し切り状態だ)のテーブルで受験勉強している最中

 いきなり声が降ってきた。
 
 …この声!

 即 顔をあげた!

「敦賀さ…」

 ん?!

「ど、どうして そんな扮装…」

 『星月夜』の時みたいな
 金髪で碧眼!

「…これが本来の俺だよ、本名はクオン・ヒズリ。」

「…え?」

 ヒズリ…クオン…?
 …久遠! 

「クー先生の!」

 息子さん?!
 敦賀さんが!?

「あの時は 父がずいぶん お世話になったね。」

「い。いえ。お世話になったのは 私の…ほう」

 さ
 さすが お二方とも 名俳優!

 みじんも 親子だなんてさとらせなかった!

「キョーコちゃん」

「は?!」

 きょ、キョーコちゃんっ!?

「俺が 昔 渡した あの石 今、どこに置いてる?東京?」

 …い…し…?

 む か し

 !!!!!!!!!!!!!

「コーン!?」

「…ああ。久しぶり…というのも ヘンかな…。」

 つっっ
 敦賀さんが…コーン!?

「ど、どうして 今まで 黙って…」

「どうしても この姿を消してしまいたい事情があって…ね。」

 もしも ソイツが…

「だから、隠してた。ごめん。」

 ソイツは今頃 壊れるか
 自分で この世から 去っている


「よかった…」

 眼から熱いものが ほとばしる。

「…え?」

「無事で…元気で…」

「…っ!」

「い、生きててくれて よかった!ホントに…!」

 あのとき
 アイツの言葉を聞いて以来 

 心に巣くって消えなかった不安が一気に晴れた!

 無事だったんだ!コーン!!

 …!?

 いきなり 敦賀さん いえ コーンが 私を抱きしめる。

「コ、コーン?」 

 きつく抱きしめてくるその腕の力が痛いほどで 苦しい。

「…あの…石…は…?」

 ひどく辛そうに コーンがつぶやく。

「も、持ってます。今、ここに」

「…え?」

 コーンの腕の力がゆるんだ。
 首から下げた袋に入った石を見せる。

「あの地震の時も 実は 衣裳の下 体にしっかりくくりつけていたんです。」

 そうじゃなかったら 
 撮影隊のバスの中の荷物同様、斜面を滑り落ちて炎上していた。

「よかったです!ちゃんと 身につけていて…」

 !!!?

 それ以上、言えなかった。
 コーンが 前よりすさまじい勢いで 私を自分の胸の中に抱きしめてきたから。

「…返して…もらえる?その石…」

 ずいぶん長い時間がたったような気がしたあと。

 ぽつりと コーンがつぶやいた。

「もう…君には 必要ないだろう?…結婚…するんだから…。」

 なぜだか その腕が 震えている。

「…コーン…?」

「俺は『敦賀蓮』を、捨てる。」

「…え?」

「父のように 名前の葬式をあげて『敦賀蓮』の容姿も芸名も葬って アメリカに行く。」

 …!!

「い、いなくなっちゃうの!?また!?」

 せっかく せっかく 会えたのに!

 いえ!
 敦賀さんが!敦賀さんが いなくなる!?

 そ ん な

 そんな!

「いやです!行かないで!

敦賀さん!!

私を一人にしないで!!」


「不破君が…彼が…いるだろう?」

「わ、私!敦賀さんを お兄さんのように…!」

「キョーコちゃん!!!」

 …っ!

「…あの黒髪・黒眼は、俺の逃げだ。…俺は…本来の俺に戻って戦う…。
『敦賀蓮』で培ってきた実績で本国に戻り、一からやり直して、成功する。今度こそ!」


「コーン…」

「君は 結婚して…幸せになる…んだから…。俺に 返してくれ。
あの石…俺の方が きっと 必要になる…この先…。」


 ものすごく…辛そうな 哀しそうな表情に 胸が突かれた。

 初めて見る…

 いえ。
 坊のとき 見たあの暗い顔…

 …より…もっと…
 もっと…ずっと!!

 ぐっと喉が鳴る。

 手に持った石を ぎゅっと握った。

 今まで
 長い間 この石に救われてきた。

 この石のおかげで
 いろいろなことに 耐えてこられた。

 でも…
 返さなきゃ

 元の持ち主に…
 あの頃の私より もっと 必要としている人に

 そっと その石に口づけた。

「長い間…ありがとう…ござい…ました…。」

 震える手で コーンに石を返す。

 なぜだか コーンの手も震えている。

「キョーコちゃん…一つだけ 約束して。」

「はい?」

「もし、この先 この石が必要なくらい 辛いことや哀しいことがあったなら 俺を呼ぶって。」

「…え?」 

「俺の手は…いつでも…君のために空けておく…。もし…君が 不幸になりそうなら…。」

 すっと その胸の中に抱きしめられた。

「俺が いる。君を助ける。どんなことしても…。」

 今度は優しく…。
 いつもの…敦賀さんのように…優しく…。

「敦賀さん…。」

「一人で…我慢して…泣いたりしないで…。俺を呼ぶんだ。いいね?」

「敦賀さん!」

「さよなら…。最上さん…」

 そっとあごを持ち上げられて 唇にキスがふってくる。

「俺の…敦賀蓮の葬式には…呼ばない…。ここで…見送ってくれる?」

「敦賀さん…。」

「…幸せにね、キョーコちゃん…」

 そっと ほほにキスを一つ

 そして
 敦賀さんは…コーンは…去っていった。

 振り返りもせずに…。  



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~ Comment ~

うわ~~~~~~~~~~~~~ん(;□;)
蓮、大好きだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
コーン返して貰うんだね・・・。グスグス。
もう・・・石に頼る必要なくなった・・・筈だったのに><
そうだよね・・・キョーコちゃんが居なければ・・・何の意味も無いものね・・。

キョーコちゃん・・・最後に残酷な台詞を・・!!
行かないで!!って・・めちゃくちゃ期待したのに・・お兄さんみたいって・・・!!かなりのジャブだね・・。

しかもコーンにキス・・・。
無知とは・・・恐ろしい・・・・。

蓮・・・・・さらって欲しかったよ・・。キョーコちゃんを。
尚への罪悪感でキョーコちゃん・・嫌がりまくりそうだけど・・。
そこは・・君の愛の力でカバーって事で!!!

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