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「アナザー・スキップ・スキップ・ビート!」
降らずの雨

冬篭もり(side:S)【降らずの雨 №13】

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読者の方へ
  「NEXT」を押すと、本編「アナザー」に飛びますが、間違いではありません。
  なぜなら、この「降らずの雨」は、本編の回想シーンとなっておりますので、 どんどん
  読み進めていただければ、「降らずの雨 №14」に、再び合流いたします。
  「降らずの雨」だけを 読み進めたい方は、「INDEX」を押してくださいませ。
  「降らずの雨」の目次が出てまいります。




「お疲れ様!ショー!ファンの皆さんも、大喜びでよかったわ!」

 祥子さんの声が弾んでいる。

 あの事故以来、立って(さすがに踊りは無理だが)
 手のギブスも外してステージに立つのは初めてだったから 観客も大声援で迎えてくれた。

「京子ちゃんとの婚約も 皆さんが温かく祝福してくださって 本当にありがたいわよね!」

「ああ…」

 心優しいファンというのは ありがたい。

 声援の中にも 祝福の声がたくさん混じっていた。

 オレには 見えなかったが

 会場中に

 「おめでとう!尚京子」

 「すごくお似合いNice カップル

 「京子ちゃんとお幸せに!」

 などなどの プラカードやら垂れ幕やらが 多数 張られていたらしい。

「京子ちゃん 連れてくれば良かったわよね。きっと 大感激したわよ!」

「受験さえなければ そうしたかったんだがな。」

 結婚式関連で ただでさえ ハードスケジュールが待ってる。
 やれるときには 存分に 準備させてやりたい。

 そうこう言ってるうちに 車が止まった。

 すっかりなじんだ病院の匂い。

 病室までついて来る…という 祥子さんを断って 中に入る。

 もはや その造りは把握済み。
 松葉杖の代わりにもてるようになった白杖で探るまでもなく歩ける。

 エレベーターでまつこと3分、
 オレしかいない 最上階につく。
 
 特別個室しかない特別棟。
 東西の棟に 1室ずつしかない。

 1日30万の個室 利用するヤツはいないらしく、この階丸ごとオレの完全貸し切り状態だ。

 東の棟入り口のドアを開く。(すでに暗唱番号の位置も手が覚えてる)

 病室に向かおうとして
 談話室に キョーコがいることにきづく。

 なぜだか
 キョーコの位置だけはわかる。

 どれほど 大勢いても はっきり キョーコだけは 見つけ出せる。

「産みの親の私は その他大勢扱いで よぉみつけられんくせして 京子ちゃんは すぐ
わかるんでっせ?あんまりやとおもいまへん?」

 おふくろが 見舞客に冗談交じりにぐちってたものだ。

「キョーコ」
 
「おっ、おかえりなさい!」

 …!?

 持ってた白状投げ捨てて 即 駆け寄る。

「どうした!?」

「…え?」

「何が あった!?」

 ぎゅっと 胸の中に抱きしめた。

「え?え?」

「何が あったんだ!」
  
「…!」

 抱きしめたきゃしゃな体が かすかに震えている。

 そっと
 ほほに口づけて…気づいた。

「…泣いてたのか?どうして…!」

「…つ、敦賀さん…が…。」

 …っっっ!!

 まさか…あの男!

 キョーコに 卑劣なマネ!

 …いや!

 それなら 
 とっくに ここから連れ出してる…!力ずくで…!

「…なに…言われ…た?」 

 まさか…
 とうとう…自分の想いを…!?

「か、帰るって…アメリカに…。」

「え?」

 『帰る』…?

「ア、アメリカ人なんだって…ホントは…金髪で碧眼の。」

 …!?
 『星月夜』の時の…あの扮装が…ヤツの本来の…姿?

「敦賀蓮の名前 お葬式出して…す、捨てるって。」

 ぼろぼろぼろぼろ キョーコが泣く。

「行っちゃう…敦賀さんが 行っちゃう…。」

 オレの服を握りしめて 子どものように泣いている。

「…キョーコ…」

 しっかり その体を抱きしめた。

「オレがいるだろ?な?」

 頼む…から。

「オレは お前から離れない、絶対。」

 その髪の毛をなでながら 耳元にささやく。

「お前を幸せにする…必ず…。」

 オレの全てをかけて。
 生涯をかけて…!

「おまえを 大切にする…一生。」

 他の誰よりも!

「愛してる…。おまえだけを…。」

「…ショー…。」

 涙に濡れたほほに手を添え その唇に口づける。

 かすかに残る涙の味は から苦い。

 これは 罰。
 愛する女の心に 他の男がいる。

 これは 報い。
 キョーコの献身を 裏切った過去の。

 『どうして そんなに泣く?』

 『なぜ、そこまで 哀しいんだ?』

 それは タブー。
 開けてはならない パンドラの箱。

 聞いてしまったら
 気づかせてしまう…。

 キョーコの想い
 自分自身でも…気づいてはいない

 芽生えかけていた
 あの男への恋心!!

 言うべきだ

 言わなければならない

 それは 恋だと
 お前は アイツを愛してるんだと

 言って
 背中を押してやるべきだ

 アイツの所へ戻れ
 アイツもお前を愛してる ずっと前から!

 行って
 幸せになってこい…と!

 言うべきなんだ!

 本当は!!

 言わなければならないんだ!

 本当は!!


「…ご、ごめんね…わ、わたし…。」

 キョーコが 震え声で俺の胸から顔を離した。

「敦賀さんのこと…お兄さんのように頼りにしてたから…つい。」

「無理もないさ。…いい先輩だったもの…な。」

 口をつぐんで…
 キョーコの勘違いを上書きする。

「…う…ん…。」

 まだかすかに震える 華奢な肩をそっとだきしめ 口づける。髪にほほに そっと。

 卑怯者!

 数日前に…病院に来たアイツの罵り声がよみがえる。

 買い物を口実に キョーコを病院から遠ざけた隙に オレの胸ぐらつかんで責めてきた。

 オレの中にいる…オレも…叫んでいる。

 卑怯者!!

「お疲れ様…ショー。久しぶりに 立ちっぱなしのステージ つかれたでしょう?
 今、温かいミルクティー入れるから。ちょっぴり ブランデーも入れるね♪」


 明るさを装うキョーコの声音。
 …のかげに潜む 深い哀しみ。

 これが…罰…。
 これが…報い…。

 誰よりも 愛している女の心に 他の男がいる。
 
 その男の侵入を許したのは オレ。
 その男と出会わせてしまったのは オレ。

 オレは 今 復讐されている!
 過去の 自分の 愚かさに!!

 戦わなければならない
 キョーコの心にいるアイツと

 これからの
 オレの生涯をかけて!
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拍手メッセ「何度読んでも…」のお客様
メッセージありがとうございますv-254

お返事遅くなりました

「せつない」想い おさせしてしまし
申しわけありません!
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