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降らずの雨

幼子のように(side:K)【降らずの雨 №14】

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「…寒くないか…?」

 隣で ショーがささやく。

 オープンカーの上で そっと肩を抱き寄せながら…。

「大丈夫。女将…お義母さんが 綿の入った打ち掛けにしてくださってるし…。」

 祝福の声と笑顔で迎えてくれる 沿道の皆さんに 手を振りながら ささやき返した。

「ショーこそ 寒くない?」

「俺も 内側は こっそり毛糸を着込んできてる。大丈夫だ。」

 歓声に答えて 手を振り返しながら ショーは 抱きしめる。

「受験1週間前なんだ…風邪…ひくなよ…。」

「うん…大丈夫!」

 こんなときまで
 私の心配しかしない…。

 『あのとき』も
 失明したっていうのに…私のことばかり…気にかけて…。

「ふぅ~ 疲れた!さすがに!!」

「お疲れ様 京子ちゃん!ショー!」女将さんが上機嫌でねぎらってくださる。

「幸い天気もようて。波も穏やかで。イベント全部、大成功や!これぞ神様の思し召しや!」

「いくらなんでも ハードすぎるだろう!おかげでくたくただ!」

 本当に…。
 神前結婚式 市内パレード 豪華客船での披露宴

 一日中 目が回るほど 忙しかった!

「そういう思うて ちゃんとマッサージ師の手配してるから 充分疲れとりなはれ。」

 は?

「おいおい。そんな…!年寄りじゃないんだから…。」

「京子ちゃんの場合は エステや。なんちゅうたかて 女優さんは容姿が命!
ちゃんと手入れしとかな!!」

 いいながら もう手はわたしの体を押している。

「京子ちゃんのために、超一流のエステシャンお呼びしてるさかいな。」

「さ。花嫁様 こちらに。」

 ドアの前では、上品な女性が薄いピンクの制服で優しくほほえんで待っている。

「松にも ゆっくりマッサージさせとくから ゆっくり くつろぐんやで。」

「は、はい…。」

「…普通 式の後には 二人っきりにさせないか?気が利かないにもホドが…。」

「あんたらは 若いんや。この先 時間はなんぼでもある。まずは、疲れを癒すのが先や。」

「…誰のせいで ここまで 疲れたと…。」

 女将さんと尚の会話を背にしながら スイートルームの寝室の一つに入っていった。
 
「いいお母様ですわね。ここまで気を利かせる親御さんは 珍しいですわ。
すごく大事に育ててこられたんでしょうね。」

 エステシャンの女性が 私に大きなタオルケットかけてくれながら、にこやかに話しかける。

「ご主人様のほうとも、遠慮なく会話なさってて。もう、本物の親子のようですわ。」

 …!?

「…あ、あの、本物の親子です。向こうが。私は 嫁…でして。」

「えええ!?」

 女性が 本気でびっくりしていた。

「…あ。し、失礼しましたわ。だ、だって ずっとあの方が お嫁様のおそばにつきっきりで
何かとお世話なさってらっしゃいましたので!私ども 本当に いいお母様だと…。」

「ええ。…いい『お母さん』なんです。昔から…。」

 実の母なんかよりずっと…。

「うらやましいですわ。あんなお義母様なら、お嫁様も 甘えることできそうですよね。」

 なめらかに私の顔の上に指をすべらせながら、女性の口もなめらかに動く。

「よほどお嫁様のこと お気に召してらっしゃるのですよね。」

 …。

 目を閉じて 答えないでいると 眠ったのだと思ってくれたのだろう
 女性は 黙って 施術に専念してくれた。
 
 その心地よい指の動きに 今朝早くからの支度の疲れもあいまって
 いつのまにか 本当に 眠ってしまっていた。

「お嫁様。」

 ささやかに 呼びかけられて はっと目が覚めた。

「あ。ご、ごめんなさい!寝てしま…!」

「いいえ。リラックスしていただけて…むしろ、光栄ですわ。」

 女性が バスタオルの上から バスローブをかけてくれる。

「ローブを羽織ってから、でてらしてくださいね。」

 おじぎをしてから 先にドアから出て行った。

 閉まるのを確認してから起きあがって、ローブを羽織る。
 全身のエステだったから 下には 紙ショーツしか身につけてない。

 ドアから出ると、ラタンの篭を抱えて女性が待っていた。

「シャワーを浴びられてから、これにお着替えください。お疲れ様でした。」

 優しくほほえんで 篭を渡してくれた。
 中には シルクのローブ。薄いピンク色に薔薇の刺繍がしてある。

 その下にネグリジェがある。同じラインのピンクの薔薇。
 こんなとこまで 私の好みに…。

「本当に ご結婚おめでとうございます。どうか、お幸せに。」

 丁重な挨拶と共に、女性は深々とお辞儀をした。

「お早く浴びて、ご主人の所へ。お待ちかねですわ、きっと。」

 最後に いたずらっぽくほほえんで、出て行った。

 …。

 そうだ 早く浴びないと
 全身に塗ってくれてるアロマオイルがべたついてる。

 さっさと 洗い流さなきゃ
 早く ぐっすり眠りたい!

 もう片方の寝室…Wベッドのある…ほう…。

「お早く浴びて、ご主人の所へ。お待ちかねですわ、きっと。」

 W…ベッド…!

 ショーがいる!

 いえ!いて当然でしょう?!

 『結婚』したんだから!

 いまさら
 いまさら 何 あわててるの!?私!!

 で、でも
 どうしよう…!

 足が…動かない。

 すくみあがってしまって 動けない…!

 どうしよう…!!

 ふ
 ふぇぇぇぇぇ~ん

 その場に座り込んでしまう。

 ぽろぽろぽろぽろ 涙がこぼれて止まらない。

「…敦賀さん…。」

 いてほしい。

 そばにいてほしい…。
 優しくささやいてほしい。

「大丈夫だよ」

 って
 抱きしめて 優しく…。

 …だめ

 もういないんだ… 『敦賀さん』は

 あの胸に抱かれることは もうない
 もう二度と…ない…!

 ラタンの篭抱きしめて
 その場にへたりこんだまま
 いつまでもいつまでも ぼろぼろ泣いていた

はつ雪


イラスト「はつ雪」(「Heaven’s Garden」様より)
画像


お題提供「恋したくなる お題配布」様
恋したくなるお題配布bana2

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