スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←幼子のように(side:K)【降らずの雨 №14】 →幸せの音 ― 聖夜の奇跡 ― (X'mas単発SS)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



総もくじ  3kaku_s_L.png アナザー・スキップ・スキップ・ビート!
もくじ  3kaku_s_L.png メッセージ
【幼子のように(side:K)【降らずの雨 №14】】へ  【幸せの音 ― 聖夜の奇跡 ― (X'mas単発SS)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「アナザー・スキップ・スキップ・ビート!」
降らずの雨

幼子のように(side:S)【降らずの雨 №15】

 ←幼子のように(side:K)【降らずの雨 №14】 →幸せの音 ― 聖夜の奇跡 ― (X'mas単発SS)
「キョーコ!!」

 大声で 名を呼んでみた。

 返事が かえってこない!

 エステシャンという女性が挨拶に来たのをしおに

 オレの体を入念にほぐしてくれていたマッサージ師も
 ちゃっかり横のソファーベッドで別のマッサージ師に施術してもらってたおふくろも
 祝福と冷やかしの言葉と共に部屋を出て行って…ずいぶん 時間もたったのに…。

「今、シャワー浴びてらっしゃいますので ほどなく来られますわ。」

 去り際、エステ担当の女性は そう言ってた…。

 時計は見えないが
 もう1時間は過ぎた感覚がする。

 まさか!
 疲労こんばいして バスルームで 倒れてたりは!

 ベッドから起きあがって ドアのほうに手探りで進む。

 部屋を出たものの…方角が わからない!

 初めての場所は、これだから困る!
 どこになにがあるのか まるでつかめない!

 じっとして 全身で周囲の空気をさぐる。

 真っ暗闇の中でも 一つだけ わかることがある。

 キョーコの気配。

 キョーコの存在…それだけは わかる。どこであろうが!

 薄いピンク色の温かいかたまり…とでも 言えばいいのか。

 理屈じゃなく…わかる…!!

 その感覚がキョーコの居場所を教えてくれた。

 そちらに向かって歩く。

 あいにく障害物の存在までは 教えてはくれないから
 そろそろと 手探り足探りだ 文字通り!

 そぉーっと伸ばした手が ドアの存在を認識した。
 ノブを回して ドアを開ける。

「キョーコ?」

 いる

 でも 返事をしない。

「キョーコ!?」

 やはり!
 具合が悪くなって 倒れてるのか!?

 一直線に キョーコに向かった。
 幸い 障害物はなかったようだ。
 即 キョーコに触れることができた。

「キョーコ!」

 タオルのバスローブ…。
 アロマオイルの香りが強い。

 シャワーをまだ浴びてないままということか。

 額に手を当てtみる。熱はない。
 指先を握ってみる。冷たく冷え切ってはいるが…病的なものじゃない!

 丸くなったまま 熟睡…してる…?

 ほっとした。

 よかった!
 体が どうにかなったわけじゃない!
 
「キョ…」

 !

 起こそうとして そのほほに手が触れた。
 
 泣いて…た?

 自分の体…抱きしめるように
 幼子のように 丸くなって…泣いてた…。

「キョーコ…」

 その体を そっと抱きしめる。

 冷え切ってる。

 どのくらい長く…こうしていたのだろう。

 胸がきりきり痛んだ。

 オレのせい…
 オレがこんなに キョーコを追いつめて苦しめている。

 オレが…!

 手探りで キョーコの背後が 寝室なことを確認する。
 手探りで中のベッドを整え、そっとキョーコの体を横たえた。

 ホテル備え付けの羽布団をかけて、枕をあてがう。

 冷え切ったその手を握って、そっと口づけた。

Sleeping Beauty


「…ん…」

 かすかに キョーコがみじろぎする。

「…ショー!!」

「ああ。悪い…起こした…か?」

「う、ううん!ご、ごめんなさい!私…!」

 あわてて起きあがろうとする気配を察して もう一度ベッドに戻す。

「無理もない…さ。相当疲れてたんだろ?」

「え?う、うん…そ、そう…なの…。」

 キョーコの声が震えている。
 嘘がヘタだ…昔と…変わらず…。

「また、貧血おこしたら困る。今夜は おまえはここで寝てろ。」

「え!?」

「オレは 向こうの部屋に戻る。くたくただし 眠くてどうしようもないからな。」

「あ、あの…。」

「お互い 今夜はゆっくり疲れを取ろう…な?」

「う、うん…。」

「おやすみ、キョーコ」

 すっと キョーコのほほを両手で挟んで唇にキスをした。

「お、おやすみ…なさい…。」

 キョーコの唇が声が 震えている。

「ありがとう

「…え?」

「オレと結婚してくれて…。」

 そっと その体を抱きしめた。

「ショー…。」

「おまえがいない人生なんて きっと耐えられなかった。」

 たとえ目が見えるようになったとしても
 本当の闇の中 救いのない人生が待っていただろう。

「…愛してる…。おまえだけを…。」

「…ショー…。」

「オレは 絶対おまえを離さない。」

 離せない。

 もう 無理…だ!

 どれほど罪悪感で胸が痛んでも!
 もう キョーコは 離さない!誰にも 触れさせない!

「絶対 後悔なんかさせない…愛してる…。」

「ショー!」

 ぎゅっと キョーコがオレに抱きついてきた。

「ご、ごめんなさい!ショー、わ、私…!」

「…待つ…。」

「…え?」

「おまえが…オレと 一緒に…寝ていい…って 本心から思ってくれるまでは…。」

「え…っ?」

「だから 安心して寝てろ…な?」

「…ショー!わ、私は 大丈夫だから!い、いっしょに…」

 すぐさま ベッドに押し戻して 深く口づけた。
 バスローブの襟を手探りでずらして 肩口から胸に唇を滑らせる。

「…っ!!」

 キョーコの体が 瞬時にこわばる。

 …のを 確認して 起きあがった。

「…『一緒に寝る』のは、無理だろ?それじゃ。」

「…~っ!!」

「…泣くな。責めてる訳じゃない…。」

 もう一度 そっと抱きしめた。

「プロポーズしてから 一月もしないで結婚式…じゃあ 心の準備が追いつくわけない。
 おまえが悪いんじゃない。」


 幼い子どもをあやすように その背中を優しくたたく。

 オレの胸の中 キョーコは 泣きじゃくっている。

「もともと 高校卒業してから…って 思ってたんだ、あんまり急ぎすぎたよな。」

「ショ、ショー…。」

「多少、順番が変わっただけだ。な?気にするな。」

 そっとベッドに戻して ほほに口づけた。

「ゆっくり、休め。今日は疲れただろう?」

「…うん…。ショ、ショーも…ゆっくり 休んで…ね。」

「そうする。お休み。」

「…お休みなさい…。」

 最後に 唇にキスをして 部屋を出た。

 探り探りだった行きと違って 帰りは 早かった。

 もう一度 元の部屋にベッドに戻る…。
 Wベッドの広さが やたら 寒々しい。

 オレが…どうしても…といえば
 キョーコは 拒みは しなかっただろう。

 絶対に 逆らうことはできなかったはずだ。

 オレの求婚 断れなかったように…。

 だけど

 できない
 あんなキョーコに 無理強いは!

 待つ
 待てる

 いつまでだって

 キョーコの心が
 本当にオレに向いてくれるまでは

 待ってみせる
 いつまでだって!

 それが せめてもの オレの償い。

 それが 今 オレにできる 精一杯の愛の証…!

 どんなに 心が悲鳴をあげていても!
 耐えてみせる!絶対に!!

 待つんだ!
 キョーコの心が 本当にオレに向いてくれるまで!

 どれほどに 心が 悲鳴をあげていてもっ!!



イラスト「Sleeping Beauty」(「Heaven’s Garden」様より)
画像


お題提供「恋したくなる お題配布」様
恋したくなるお題配布bana2



スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png アナザー・スキップ・スキップ・ビート!
総もくじ  3kaku_s_L.png アナザー・スキップ・スキップ・ビート!
もくじ  3kaku_s_L.png メッセージ
【幼子のように(side:K)【降らずの雨 №14】】へ  【幸せの音 ― 聖夜の奇跡 ― (X'mas単発SS)】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【幼子のように(side:K)【降らずの雨 №14】】へ
  • 【幸せの音 ― 聖夜の奇跡 ― (X'mas単発SS)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。