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アナザー・スキップ・スキップ・ビート!

№33(side:京子)

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「おぼっちゃま そろそろ お時間が…。」

 敦賀さんと私が 別荘の裏の湖で釣りを楽しんでいたところに 遠藤さんが迎えに来てくれた。

「ああ。本当だ。もう17時か。」

 すっと 敦賀さんが 釣り竿をしまう。

 私の分まで 片づけてくれて にっこりほほえんだ。

「じゃあ 行こうか ニューヨークまで送るよ。」

「は、はい!」

 ささっと身支度を終える。
 遠藤さんが 格納庫まで 車で送ってくれた。

「遠藤さん オレは 彼女を送った後、ボストンで1週間ほど過ごすから。」

 敦賀さんが 遠藤さんに 話しかけている。

「ボストン…ですか?」

「新しい映画のオファーが来ててね。」

「それでしたら 私どもも…」

「いや。オレから 二人への贈り物だよ。
結婚30周年の休暇だ。佳奈さんと 二人で ここでゆっくり過ごせばいい。」


「お、おぼっちゃま!」

 遠藤さんが 真っ赤になった。

「も、もしかして 結婚記念日!」

「そうなんだよ。明日 6月28日が…ね。」

「素敵です!佳奈さん ジューンブライドですね?!」

「あ。い、いや そ、そのような…!この年で!」

「50年たっていても 素敵なのは素敵です!おめでとうございます!!」

「お、おそれいります…。」

 照れて 汗まみれで へどもどしている 遠藤さんに見送られて
 敦賀さんが操縦するヘリコプターは カナダの無人島を飛び立った。

「最上さん…君の携帯は エステサロンのロッカーに置いたままにしてるよね?」

「は、はい。ノエラさんのお荷物と一緒に…」

「OK。じゃ、このヘリをそのエステの入ってるビル屋上につけるから…。
 こっそり下に降りて ノエラ嬢から 携帯受け取って 帰るといいよ。」


「あの…ここまで…する 必要…。」

「君のあの携帯には GP内蔵されてるし…たちまち ボディガードが 追跡してきて…
とてもじゃないけど…こんなゆったりした時間は すごせないよ?」


「ボ、ボディーガード!?」

「気付かなかった?常に 君の後つけて 影ながら ガードしてるよ。」

「き、気付きませんでした!」

「…プロだからね…奴らも…。」

「じゃ、じゃあ もしかして 私が サロンから出たとこ…。」

「そのための携帯トリックだ。大丈夫。彼らは あの超一流サロンにまで 入ってこられないから。」

「あの!…こんなに こそこそ…しなくとも…別に 悪いことなんか 何も…。」

「最上さん…こっちの世界の不破君は、奥方に対する独占欲の強さで世界的に有名なんだよ。」

「…え…」

「絶対に 自分のいないところで 他の男と 会わせたりはしない。
 たとえ、相手が『ただの先輩』の俺でも…決して 許さないよ。」

 
「…。」

「俺はね…君が心配なんだ…最上さん…。」

「は?」

「中身はどうあれ…ヤツ…不破君にとっては 君の体は 彼の『奥さん』だ。
君が こっちに来て 5日目。さすがに…彼も 我慢の限界…じゃないかな?…」


「…っ!」

「迷ってるんだ…。このまま…すんなり 君を 彼の元に帰していいのかな…と。」

「…え?」

「俺にとっては 君は 17才の最上さん…だ。可愛い後輩の…ね。
 だから イヤなめにあわせたくないし 辛い思いもさせたくない。」


「…敦賀…さん…」

「君がどれだけ 純真な女の子か、俺は知ってる。だから アイツの元に 置いておくのは
 すごく不安だ。彼の奥方への熱愛ぶりは いささか 常軌を逸してるほどだし…ね。」

 
「…ふ、不破さんは 紳士です!スィートルームで 部屋 二つ 分けてありますし…!」

「そう…じゃ…彼 相当 耐えてるんだよね…。」

「…っ!」

「自分の『妻』の体 前にして…辛いだろうな…さぞや…。」
 …あ…。

  「キスして…いいか?」

  切なそうな目…で 見つめていた不破さん…

 苦しめている!?『私』が!!

「ど、どうしたら いいんでしょうか!」

 そんな
 そんなつもりは ないのに!

 あの人を苦しめたくはない
 そんなつもりはない! 毛頭!

「君と…彼の奥方が お互い 無事に元の世界に戻るまで…離れていた方がいいんじゃないかな?
それが みんなにとって 最善の道だよ。」


「で、でも、私には 他に居場所なんか!」

 日本に帰ったって…!
 『私』の家はない!!どこにもない!!

「最上さん!」

 さっと 敦賀さんが 操縦桿をホバリング固定した。

「ごめん!泣かないで!頼むから!」

 ぐっと 抱きしめられて 自分がいつのまにか 泣いてたことを知った。

「俺がいる!俺は 絶対に君の味方だ!たとえ、世界中の全てを敵に回しても!」

「…つ、敦賀…さん…」

「俺が 君を守るから 絶対に守るから…!」

 ぎゅっと抱きしめられる…痛いほどに…。

「俺に…任せて…くれる?最上さん…」

「…え?」

「このまま…不破君の元に戻すのは…俺も心配だし…君も辛いだろうし…不破君も…気の毒だ。」

「…!」

「とりあえず…1週間ほど 離れていたらどうかな?
 もしかしたら、その間に 元に戻れるかもしれないよ?」


 そっと 優しく耳にささやいてきた。

 1週間…。

「その1週間の君の居場所は 俺が手配するよ、ちゃんと…ね。」

「…だめ…です。」

「…え?」

「この体が 私のものなら ともかく…!奥様のお体を 不破さんから 離してはダメです!」

「…!」

「ご、ごめんなさい せっかく ご心配くださったのに…わたし…」

「いや…最上さんらしいよ…まじめなんだね…相変わらず…。」

「…そ、そんなこと…。」

「じゃあ 戻ろう。ニューヨークに。」

 敦賀さんが ホバリングを解除した。

「最上さん…その後部ポケットに ホットコーヒー入り魔法瓶があるから 飲むといいよ。」

「は、はい。いただきます。」

 お言葉に甘えて 魔法瓶を開けた。

 少し…舌を刺すような苦さがある…。
 そばにあったミルクを足して 飲み干した。

「あと30分ほどで着くからね。」

「…は…い…。」

「…疲れたの?遠慮せず 寝ていいよ。着いたら 起こすから。」

「いえ…そ…」


 そ、そんな 失礼なこ…

 ふっ

 次の瞬間
 視界が真っ白にとぎれてしまった…。
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