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アナザー・スキップ・スキップ・ビート!

№39(side:久遠)ただ偶然を待つ

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  ブルルっ

 …!

 右手首に装着していたリストウォッチが震えた!

 こっそり 台所の方を伺う。

「うーん…これは 炒め物…いえ…蒸し焼き…。どっちがいいかなぁ…。」

 最上さんは
 この島で収穫したばかりの野生の(…と 見せかけて 実は栽培しているのだが)
 野菜や果物を しきりに吟味している。

「キョーコちゃん、また、薪になりそうな流木拾ってくるよ。今から、乾かせば、夜には使えるしね。」

「あ、はい!お気を付けて!」

 わざわざ 台所から 顔を出して 笑顔で見送ってくれる。

 携帯が通じない 連絡がとれない…という嘘 素直に信じて

 「…それならそれで!無人島ライフ楽しんじゃいましょう!」と 笑ってくれた。

 内心は 焦って落ち込んでるんだろうに…きっと 俺に 気を遣って…。
 
 ほほえみを返して さりげなく外に出た。

 浜に向かう…風を装って 500mほど離れた森に向かう。

 リストウォッチ…に見せかけたリモコンのスイッチを押す。

 うぃーーん

 かすかな機械音とともに、大きな岩…に 擬態させたドアが開いた。

 下に続く階段を下りていく。
 たどりついたのは、総合機関室。

 指紋と網膜を照合させる。即、コンピューターが起動した。

「この島に照準を合わせて向かう飛行物体を補足しました。移動速度…」

 モニターの合成音声が 無機質に報告する。

 そのスピードは、ヘリ…か。
 あと3時間ほどで 着く距離にいる。

 …意外と早かった…

 秘密裏に取引してきたって言うのに…
 けっこう 有能なハッカー 抱えてるようだ!

 ふ…。

 よく 見つけてくれた!

 そうでなければ
 俺のせっかくの計画が台無しになるとこだった!

 この島は 上空から見ただけでは 木しかないように カモフラージュしている。

 上陸したらしたで…ちゃんと 仕掛けはある!

 元々 BJシリーズの舞台装置で造ったものに加えて 更に強化している! 

 何も見いだせず
 空しく 引き返すのがオチだ!

 どう隠したって どうせ見つかる
 息を殺して身を潜め 怯えながら ただただ偶然を待つ…なんて 性に合わない!

 人間ってものは
 一度調べてダメだったところは もはや 調べようとは思わないものだ。

 まして こんな遙かな遠方…もう一度来ようとは 思うまい!絶対に!!

 かたかたかたかた 

 すでに 組み込んでいたプログラムに 実行の指令を打ち込んだ。

 モニター画面が 次々に 実行済み…の 画面を映し出す

 まずは 故障したように見せたヘリがあった場所
 ゆっくりと地面(と見せていた床)がせり下がり ヘリを木の中に飲み込む。

 浜辺 小屋の周囲…

 次々と指令通りの風景が展開していく。

 時間指定の実行キーをすべて押し終わって立ち上がった。

 これでいい。

 1時間以内に 全ての指令が実行される。

Swallow Tail


「ただいま、キョーコちゃん。」

「お帰りなさい!もうすぐ朝ご飯もできますから!」

 言葉通り いい匂いが漂っている。

「雨が降りそうだから…ここに干しておくよ。」

 あらかじめ貯めておいた流木を 暖炉の前に広げて乾かす。

「あ、雨…ですか?こんなに 明るいのに…!?」

「ここは熱帯気候だからね。いきなり来ていきなり止むんだよ。」

 ごろごろごろ

 遠くから かすかに 雷の音が響いてきた。
 コンピューターは、忠実に命令を果たしてくれている。

「…まずいな…これは…けっこうな嵐になりそうだ…。」

「え?え!」

「大丈夫 ここでは こんなこと しょっちゅうだから この小屋はかなりの強化加工施してる。」

 壁際に設置しているパネルに近寄って、かちゃかちゃとボタンを押す。

 ごごごごごごごご

 がたがたっと 小屋が揺れる 

「じ、地震!?」

「大丈夫だよ。この小屋を地下に潜らせてるだけ」

「ああ、そうなん…はっ?!

 言ってる間に 窓の外の気色が上に上がっていく。

 ついに ジェラルミの壁しか見えなくなった。

 がったん!

 大きな音と共に 小屋の動きが止まった。

「…あ、あのっ こ、これ!」

「ああ。普通の小屋じゃ おもしろくないだろ?だから ちょっと いじってみたんだ。」

「ちょ…ちょっと…って…」

「お腹すいたな。朝食できてるなら いただいていい?」

「…あ、は、はい!す、すぐ、ご用意します!」

 あわてて 彼女が台所に引っ込む。

 よかった

 彼女が 相変わらず 天然…いや 素直で純真で!

 パネルの別のボタンを押す。

 屋根の上 がーーーっと 音がする。

「あ、あの音は!?」

「蓋をしたんだよ。小屋にも 傘を差してやらなきゃ びしょぬれだろ?」

「は、そ そう…です…ね。」

 茂みにしか見えない蓋…だ。

 煙突の煙も 上空には出さず 地下に潜るよう軌道修正する。

 これでいい。
 あとは、プログラムが 完璧に排除してくれる。
 
 早く来い!不破!
 そして あきらめて 戻るがいい!

 まだだ…!

 まだ 彼女を帰すわけにはいかない!

 今度こそ 俺は伝えるんだ。

 17年前 ついに言えずに封印した想い

 伝えるんだ!

 今度こそ!真摯に 確実に!

 彼女の中にいる…17歳の最上さんに!

 今度こそはっっ!!!


イラスト「Swallow Tail」(「Heaven’s Garden」様より)
link-bn-g4.jpg

 
 お題提供「恋したくなる お題配布」様より
「忘 れられない君へのお題」
恋したくなるお題配布bana2
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