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アナザー・スキップ・スキップ・ビート!

№9(side:尚)

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「尚!どこ行ってたのよ!」

 ホールのステージ裏についたとたん、祥子さんが金切り声で叫んだ。

「電話が来て、いきなり飛び出してったって言うし!
どれだけ、私に心配かけたら…!!」

「ごめん…祥子さん…」

「私が悪いんです!!」

 キョーコが オレをかばうように 前にでた。

「私が…不破さんの忠告聞かずに…勝手に部屋出たから…トラブルに
巻き込まれて…」


 ぽろぽろぽろぽろ キョーコに泣かれて…

「ごめんなさい…本当に…大事なリサイタル…前に…」

「な、泣かないで!京子ちゃん!なんとか、まにあったんだし!」

 祥子さんも…なだめる側にまわった。

 キョーコの涙に勝てるやつなんて、そうはいない。

「わ、私…朝から 皆さんに…ご迷惑ばかり…。」

 泣きじゃくりながら
 心底、落ち込むキョーコに 胸が痛んだ。

「お前のせいじゃない。気にするな。病気なんだから…な?」

 そっとその体を抱きしめて、慰める。

「…す、すみま…せん…」

「さ、開演まで あと30分!キョーコちゃんも仕度してね!」

 祥子さんが、気分を変えるように明るく言う。

「…し…たく…?」

「見たとこ 京子ちゃん ドレスとアクセサリーは ばっちりだけど、
ヘアメイクまだよね?」

「あ、はい…。その…途中…で。」

「京子ちゃん、きっといろんなメディアの被写体になっちゃうし!
きちんとしといたほうがいいわ!」

 言い終わるや、即、ヘアメイクさんに声をかけた。

「え!?…まあ…!す、素顔…ですか!?」

 キョーコに引き合わされたヘアメイクさんが 息を呑んだ。

「た、確か…34歳…ですよ…ね?」

「こう見えてもそうだから。それほど手はかからないと思うけど、
写真映りも考えて、よろしくね。」

「お任せください!」

「あ、あの…。」

「さ、参りましょう!!」

 やけに 張り切ったヘアメイクさんに引きずられるように
 キョーコは、とまどいながら 控え室に消えた。

「尚、夕飯まだよね!?すぐ、何か軽いもの…。」

「だめだ。時間が迫り過ぎてる。野菜ジュースだけ、頼む。」

「…仕方ない…わね。エネルギー配分、十分考えるのよ!?」

「任せろ。20年近いキャリアがあるんだ。」

「朝の件、大統領には きちんとお断りしておいたから。京子ちゃんの
体調がよくないって。」

「ああ、ありがとう」

 体調がよかったところで…あの精神状態では 無理だろう…。

 いったい、どうして…ああなったんだか!!

 ふぃっと
 やつの顔が思い浮かぶ。

 昨夜
 …オレが ちょっとほかの客と話してるすきに
 いつのまにか やつと二人で話をしていて…。

 あわてて連れ戻しにいった…

 そういえば…
 あの時点で もう
 キョーコの様子は 何か変だった

 嫉妬と怒りに目がくらんで オレが不機嫌だったから…
 だけじゃない!…思い起こせば!何かが変だった…!!

「開演10分前です!」

 …!

 だめだ!
 個人的なことに 気をとられてる場合じゃない!

 このステージ…
 オレ一人の力で成り立ってるわけじゃないんだ!

「不破さん!奥様、きれいに仕上がりましたよぉ

 メイクさんの能天気な声に振り向く。

 …!

 さっきよりも一段と美しくなったキョーコが立っていた。

 自分の妻とはいえ…つい、見とれてしまう…いつものことだが…。

 あたりのスタッフまでが 息を呑んで見とれている。 

「ショー、がんばってね。」

 すっとキョーコが オレの体を抱きしめてきた。

 …!?

 お、思い出して…?

「あの…こんな感じでいいんでしょうか…。奥様の真似…。」

 小声で、ぼそっとささやかれて、気が抜けた。

 なるほど。記憶は失っても、演技力は健在らしい。

「ああ。がんばってくる。見ててくれ。」

 抱きしめ返して、その唇にキスをする。
 …ぴくっと震えたのは、ほんの一瞬。
 やさしく微笑んで、受け入れた。

「ええ。あなただけを見つめているわ。」

 …お見事…!満点の妻ぶりだ!

「奥様。お席にご案内します!」

「ええ。ありがとう」

 優雅な振る舞いで、用意された席に 案内されていった。

 その歩みにつれて 光の粒が舞っているようだ。

「うっわー!おうわさ以上に 素敵な方ですねー、奥様。」

「さすが 世界の妖精!」

 そこここで感嘆の声が上がる中、ステージに向かう。

「5分前です!!」

 その声に、よけいな雑談も ぱたっとやんだ。

 キョーコへの想いを自覚して以来、
 オレの作る曲・歌詞 全てが キョーコへのセレナード…。

 心を込めて歌うから
 いつも以上に もっと…ずっと…。

 頼むから 思い出してくれ。

 あれほど必死になって やっとお前を得られたのに
 
 あの男から…奪い返すことが できたのに…!!

 いまさら
 なかったことになんか しないでくれ!!!
  
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