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 ←№53(side:久遠)いつか、思い出に変わるまで →№54.、5(side:尚)たとえば君がいなくなったら
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アナザー・スキップ・スキップ・ビート!

№54(side:尚)いつか思い出にかわるまで

 ←№53(side:久遠)いつか、思い出に変わるまで →№54.、5(side:尚)たとえば君がいなくなったら
「まあ!久遠さん!おひさしぶりです!わぁ~!お懐かしい!」

 喜色満面にキョーコがヤツを迎えた。

「ご活躍は常々日本から拝見していました!子どもたちも、久遠さんの大ファンなんです!ね?」

「…あ、ああ…。」

「…それは、光栄だな。」

 さすがに役者。
 アカデミー男優賞は伊達じゃない。ヤツは即 何気ない笑顔を作った。

「…だけど…俺たち 1週間前のレセプションで もう会ったんだけど…?」

「そ…そうらしいんですよね…。」

 ちろりと キョーコが俺を見て 腕にすがりついてきた。

「さっき、眼をさましたら ショーが真っ青になって げっそりやつれてるから…!
 私、心臓とまるかと 思っちゃいました!」


「お前が…3日間も 意識不明になって眼を覚まさないから…だろ。」

「…?!」

 ヤツの眼が大きく開く。
 ものといたげな眼を 眼で制す。

「せっかくヒズリさんが この島に俺たちを招待してくださったのに…ついた早々 おまえが倒れて
 昏睡状態になってしまったから…皆さんに ずいぶん心配おかけしたんだぞ。」


「ご、ごめんなさい!わ、私!アメリカについて さ、明日のレセプションがんばるぞって思いながら
寝た…とこまでしか 覚えてないの!」


「のんきなヤツだな。ここまで みんなを大騒ぎさせて。」

「だ、だから ごめんなさいぃぃ~。きっと 久々の出番で緊張しすぎたの!5年ぶりなんだもの!」

 うるうる涙目でひしっと 俺にしがみついてくるきゃしゃな体 ぎゅっと抱きしめる。

「ああ…。わかってる。」

 そっと まぶたの下に口付ける。

「目覚めてくれて…うれしいよ…キョーコ。」

 よかった!
 還ってきてくれて!!

 本当に!

「…ショー…ごめんなさい…。」

 キョーコも ぎゅっとオレに だきついてきた。

「たった3日で…こんなに やせちゃって…。」

 オレの胸の中で ぽろぽろぽろぽろ 泣いている。

「きっと すごくすごく 心配させたのよね。ごめんねごめんね。」

「…キョーコ…」

 そのつぶらな瞳を見つめて そっと その唇に口付け…

「あ~。こほん」

 はっ!

「し、失礼!」

 社長のわざとらしい咳払いで我に帰る。

 忘れてた!
 外野の存在なんか、完全に!
 
「あー…。いやいや、こちらこそ。京子君、気分は?頭痛とかないかな?」
 
「は、はい!大丈夫です!」

「再会の喜びには あとでゆっくりひたってもらうとして…食事を先にとろう・。
 なんせ不破君は 心痛のあまり ほとんど食べてないし…ね。」
 
「わ、私が 作ります!」

「キョーコ。いいんだ。お前は 休んで。」

「だって!私のせいで!」

「いいから。また おまえに何かあったら…!」

「…もう 用意してあるから 運ばせよう。」

 なぜか げっそりという声音で 社長が電話に向かった。

花灯り

「まああ!遠藤さん!佳奈さん!お久しぶりです!お二方とも お変わりなく!!」

「お久しぶりでございます。」「お会いできてうれしいですわ、京子様。」

 …さすがに重用されてる使用人だけのことはある。

「あ、も、もしかして!わ、私が昏睡状態だった3日間…さぞや…お二人にも ご迷惑…」

「とんでもございません。」「なにもお気になさる必要はございませんよ。」

  こいつらも なにげないふうを 即 演じている。

  ボディガードたちにも 隙を見て 指示を出した。

  レセプションも、カーネギーホールの特別出演も無事終えたあと、

  昔の先輩に招待されて、一足早くこの島に来たものの…

  おりからの疲労と久しぶりの出番の緊張感からか 着いて即倒れてしまい3日間、昏睡状態。

  起きてみたら、
  その3日間ばかりか
  1週間前の記憶まで飛んでしまっていた。

 …ということに 統一してある。

 本当のことなんか 告げたって 誰も 得はしないんだ。

 ここにいる全員が 共犯者。
 墓場の下まで この秘密を共有してもらおう!

「あ―!!!」

 突如
 キョーコが悲鳴を上げて 立ち上がった!

「ど、どうした!?」

「電話!」

「…え?」

「亮に 奏音!絶対 心配してる!!」

「っ!」

 そうだ!
 しまった!!

「そこの電話 使って?京子ちゃん。」

「す、すみません!久遠さん!お借りします!」

 ばびゅんっと キョーコが電話に駆け寄る。

「もしもし!あ。かな…」

「ままぁああああああ」

 き ―――― んっ

 受話器の向こうから すさまじい悲鳴が聞こえてきた。

「どうしてたのよぉおおおおおお―っ!!」

「ご、ごめんなさ…」

「まぁまぁ―――――――――――――――――― っ」

 かぶさるように亮のわめき声

「りょ、亮…いい子だから!」

「代われ、キョーコ」

「え、ええ」

「奏音。亮。」

「ぱぱー」「パパ!いったい どーゆー!」

「ママは、ずっと病気で寝たきりだったんだ。」

「「えー!?」」

「オレも 心配のあまり おまえらに電話できなくて悪かった。」

「ま、ままー」「も、もう大丈夫なの!?」

「ああ。ちゃんと…元に…戻ったから…。」

 すっと キョーコの肩を抱き寄せた。

「あんまり ママを疲れさせるなよ?わかったな?」

「う、うん!」「はい!」

 もう一度 受話器をキョーコに渡す。

「ごめんね 奏音 亮」

「ままー」「ママ!ホントにホントに もう大丈夫!?」

「大丈夫よ。もう、元どうり!元気だから!」

 受話器の向こうのトーンが
 聞こえないくらいに下がったの確認して 食卓に戻った。

「ほほえましい家族愛だな…。」

 クー・ヒスリが ほほえんだ。

「いいお父さんお母さんなんだな。本当に…。」

「いえ。ついつい甘やかしてしまって…わがままにしてしまったんじゃないかと気がかりですよ。」
 
「いやいや。二人とも礼儀正しいし、挨拶もきちんとできるし、よく躾けられてるよ。」

 社長が 話に入ってきた。

「うちの事務所でデビューさせたかったんだけどなぁ…奏音ちゃん。」

「すみません。『どうがんばったって、演技の世界じゃ ママ以上にはなれない』って 言い張って。」

「まあ、容姿も 京子君に瓜二つだからな。…どうしたって 比べられるか…。」

「本人も『演技より音楽のほうが 好き』と 言いますのでね。」

「中身は パパに似たらしくて。」

 子どもたちが気遣ったのだろう。
 思ったより短時間で戻ってきたキョーコが、会話に加わる。

「ピアニスト目指したいっていう夢 大事にしてやりたいんです。ね?」

「ああ。親にできることなんて たかがしれてるが…やれるだけのことは…な。」

「…僭越ながら 協力させていただくよ…。」

「は?」

「久遠さん?」

 にっこりと ヤツがほほえんだ。

「本人からも よく手紙もらって 留学の相談 されててね。」

「ま、まあ!奏音ったら!そんなあつかましいことを!」

「とんでもない。うれしかったよ。奏音ちゃんは 俺にとっても 娘どうようだし…。」

「あ、ありがとうございます!久遠さん!」

「とりあえず…アメリカでの部屋は 俺所有の別荘使ってもらったら…と 思ってる。
もちろん下宿代なんか いらないから。」


「そ、そんなわけには!」

「誰かに住んでもらったほうが 家もいたまないものだよ。
12軒ある別荘の1軒だ。気にしないで。」


「それは、いい考えだ。」

 クー・ヒズリも言い添える。

「遠藤。佳奈さん。そのときは、君たちが その家に住み込んで、奏音ちゃんに仕えてくれるね?」

「はい!もちろんでございます!」「喜んで!」

「ぜひ、そうさせてもらえないかな?不破君」

「し、しかし…!」

「…大事な…お客様用に用意した女性用のものが こまごまとあるんだ。」

 …!
 
「奏音ちゃんに使ってもらえれば…調度品も…喜ぶ。」

 …。

「ありがとうございます…お言葉に甘えます。」

「ショ、ショー!?そんなっ!」

「お断りするほうが かえって失礼だ。キョーコ。」

  あまり
  こいつを思いつめさせないほうがいい!

  二度とふざけたまねなんざ許しはしないが!

  きっと
  キョーコのために買ったもの…だろう。

  奏音が生まれたとき
  贈りつけてきた あのマンションの内装同様に!

「で、でも!」

「京子ちゃん」

 まっすぐにヤツがキョーコの眼を見つめる。

「お願いだから…俺にも 子どもを育てる喜び…少しは味あわせて。」

「…久遠さん…」

「このとおり…!」

 尊敬する大先輩に頭を下げられて
 キョーコもついに陥落した。

 お題提供「恋したくなる お題配布」様より
「忘 れられない君へのお題」
恋したくなるお題配布bana2
  
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