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総もくじ  3kaku_s_L.png アナザー・スキップ・スキップ・ビート!
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アナザー・スキップ・スキップ・ビート!

№57(side:久遠)突然、視界に飛び込んで来た君

 ←№56(side:尚)似た後姿を目で追って →№58(side:奏音)ドアを蹴破って
「ママー!!」

 ONの赤いランプが消える。

 重い扉が ゆっくり開く。

 スタッフが支えるドアから
 光の粒を撒き散らしながら登場した美女

 …に
 少女は まっすぐに抱きついていった。

「奏音ちゃん!?」

「ぶ、無事で…よか…」

 言いかけた言葉は
 涙で…声にはならない。

「…奏音ちゃん…」

 やさしく娘を抱きしめる母親
 ひしっと 抱きついて離れようとしない娘

 ずきん

 胸の奥がうずく

 よかった

 危うく
 この親子を不幸のどん底に つきおとすとこだった!

「ごめんね。心配かけて。」

「ううん!元気になってるんなら いいの!!」

「ええ。元気よ。心配要らないから…」

 聖母子…
 互いに思いやりあう美しい風景…

「まったく!即 飛んでくるところが 奏音らしいよな。この鉄砲玉が。」

 ヤツが奏音ちゃんの頭 くしゃっとなでる。
 言葉とは裏腹に その口調は優しい。

 …いい…家族…だ。

 愛情に満ちた 幸福な…家庭…。

「え?!まあ!奏音ちゃん!?」

 突如
 別の女性の声が響いた。

「あ。しょ、祥子さん。」

 ぱっと
 奏音ちゃんが 母親から離れる。

「こんにちは。いつも父や母がお世話になっております。」

 すっと いずまいを正して 
 父親のマネージャー安芸さんに丁重に頭を下げる。

 …このへんも…彼女そっくりだ。
 
「まあ、よく来たわね!」

 祥子さんが 機嫌よく迎える。

「おー!奏音ちゃん!会う度に大人びていくね!」

「ますます デビューした頃の京子さんに似てきて!」

「将来が楽しみだなー。」

「絶対、母親そっくりの絶世の美女になることまちがいなしだよね!」

 なじみらしいスタッフたちが 
 出てきては、次々に言葉をかける

「…ありがとうございます。いつも お世話になっております。」

 …え?
 
 愛嬌のある笑顔
 文句のつけようのない丁重な挨拶

 …の裏で
 奏音ちゃんをとりまく空気が…
 真っ黒におどろおどろしくなっていくのがわかる!

 こ
 これは!

 さっきの空港の場面!

 あのとき

アイビー蒼(左)

「…二度とこんなふざけたまねできないよう…足か腕の腱…どこか 切っとくべきかしら…。
警察来る前に…こっそり…。」


 ぼそっと 日本語でつぶやかれた彼女の声
 みるみる彼女の背後で膨れ上がるおぞましい暗黒の気に 背筋が凍った!

「き、君!そこまでは 過剰防衛だから!」

「…え?」

 彼女が はっとして顔を上げた。

「あ。あら?ミスター、日本語お上手ですのね…?」

「ええ!昔…住んでたことあるので…!」
 
「(ちっ)」 

 し
 舌打ちの音!?

「??ミスター?お嬢さん?すみませんが…先ほどから…どこの言葉で…。」

「あ、ああ!失礼しました、レディ。」

「警察の方 早く来てくださらないかなって。」

 にっこりと天使のような笑顔

 …の背後に黒い翼ととがったしっぽが見える!

「まあ、ご親切に。どうかお名前とご連絡先を!ぜひ、改めて お礼に」

 まずい!

「おかまいなく、レディ。俺は、先を急ぎますので これで。」

「実は 私もですの!失礼します!」

「あ、あら?お嬢さん!ミスター!」

 女性の焦る声をしりめに 二人してそそくさっと場を離れた。

「…君は…知られても問題ないんじゃないのか?」

「ということは…おじさんは 知られたくないような前科でもあるの?」

「…できたら…おじさんっていうのは…」

「どうみても 私のパパより うんと 年上に見えますが?」

「4つしか 違わない!」

「え!?」

「38だから。こう見えても!」

「…そうじゃなくて…どうして…パパの年…。」

 まじまじまじっと 俺を見つめる。

 …ふぅ…

「初めまして。奏音ちゃん…。」

「え?!」

 周囲に人目がないのを確認してから ゆっくりサングラスを外した。

「いつも楽しいお手紙ありがとう。」

「あー!?く、くお…!」

「しっ!!」

 あわててサングラスをかけ、彼女の口を手でふさぐ。

「頼むから!こんなとこで騒ぎを起こさないで!」

「もが?(騒ぎ?)」

「一応 ハリウッドスターなんでね。」

「もが、もががが(あ、なるほど)」

「わかってくれた?」

「もが。(はい)…もがが((…だから)」

「ん?」

「もがー!もががっががーっ(もうー!いいかげん手を外して!)」

「あ。そ、そうだね。ごめん!」

アイビー蒼(右)


「奏音。来た以上は、仕事してもらうからな!」

 ヤツの凛とした声に 回想が中断する。

「し、仕事ー!?」

「ピアノだ。」

「え?」

 奏音ちゃんの顔に ぽっと血の気がさす。

 おどろどろしい暗黒のオーラが さっと晴れた。

「ボーナストラックの『Endless Love』は、ピアノ・ソロVerにしよう。準備頼む。」

「親子共演ですか!いいですね!!」

 がぜん
 スタッフのテンションがあがった。

「ピアノ!グランドピアノを!」

「スタジオは Aスタにっ」

 即
 てきぱきと 動き出した。

「新曲…ね?」

「ああ。ほら 今 録り終えたばかりの音だ。」

 さっと
 ヤツがヘッドフォンを差し出す。

 奏音ちゃんが 眼を閉じてその音に聞き入る。

 5分後

「OK」

 ふわりと ほほえんだ。

 心底
 うれしそうで楽しそうな笑顔

 本当に好きなんだな…ピアノが

 見ていると
 俺のほうまで 幸せな気持ちになってくる。

 ヤツはきっと
 娘の気持ちが沈んだのを察して言ったのだろう

 ボーナストラックとはいえ
 ど素人の演奏 CDにいれるなんて
 「職人」不破 尚のポリシーに反するのだろうに!
 
 妻を熱愛してるだけじゃない
 ちゃんと 娘にも 愛情かけて…

             幻想世界


    ♪~

 …え…

    ♪♪~

 …え!?…

 な
 なんだ…!?

 この…音!

 ピアノ…って
 こんな…音がする…楽器だったか!?

 モニターから 今 スタジオ録音中の音が流れている

 その…透明で澄んだ音が天上から響いてくるようだ!!

 し
 信じられない!

 不破のヤツ!

 なぜ

 まだ
 楽壇デビューさせてないんだ!?

 あらためて
 モニターに映し出されている奏音ちゃんの姿を見つめる

 ピアノに向かう彼女の表情は幸せに満ちている

 まばゆく神々しい光にみちあふれている

 黄金の翼が見える

 限られたものにのみ許された

 天才…という名の
 まばゆいほどの 翼が…!


ライン「Green」イラスト「幻想世界」(Heaven’s Garden様より)
画像

お題提供「恋したくなる お題配布」様より
「あの人の心を開く5のお題」
恋したくなるお題配布bana2

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